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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第0章 森からの脱出
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空気に勝る欲求なし

ブクマありがとうございます


「ふう、落ち着いたぁ」


全身ぬるま湯に浸かりながらため息をこぼす。なんかいいね。風呂に入るとリラックス効果があるのは本当だな。緊張していた体がほぐされていく気がするよ。


「・・・」

「むすっとすんなって米柔。お前が悪いって」

「なんか釈然としないだけなんだよ」

「まあそりゃあ・・・変態(米柔)がいるからしょうがないね」

「お前今俺の名前呼ぶ時にどんな意味を込めやがった」


男五人で仲良く風呂に入る。うん、サービスシーンなんてありませんよ?で、なんで米柔(変態)「隠す気0だなおい」がこんなにむくれているのかというと、話は少し前・・・女子たちが水浴びをしようとしている時まで遡る




「遅かったね」

「特訓してたからな」


戻ってきて早々小言を言われたけどこちらにも都合があるのでそこは勘弁してほしい。石はしっかりと熱せられているっぽいな。触ると熱そう。自分が持って運ぶだなんて言わなくてよかった。


「それで?さっさと石を入れてよ。こっちはずっと待ってるんだから」

「わかったよ」


米柔と麺山はいないけど・・・まだ探索から帰ってきていないのかな。今ここにいる必要があるのは天衣だけだし角先の判断で探索にでもいっているのかな。四万十さんと五月雨さんもいないし効率良く進めていく感じなのかな。


天衣は風を操って石持ちあげて運んでいく。これは特に技能に数えられるものではないらしい。さっき教えてもらった。正確には『風使い』だけみたいだ。これ一つで風を操ったり自分の体を覆ったりできるみたいだ。なにそれ万能技能かよ。きになるのは僕の場合は『電気鎧』として一つの技能になっているのに天衣の場合は『風鎧』みたいにならないんだよな。


まあ電気を纏えば攻撃にも防御にも使えるというイメージが一般的で、風は纏ったとしても移動ぐらいしか使われないというイメージを僕らは持っているからな。逆に言えば天衣が鎧をイメージすれば新しい技能が習得されるのでは・・・?お、これは要検証かな。あとで天衣に教えよう。


さて、その『風使い』の力を使って風をコントロールすることができるようになった。どうやらもともと凝り性のようで、正確さはかけていても器用にこなしていっていた。あとは石を中心にして風を巻き起こさせて・・・・


ビュウウウウウウウ・・・ボチャン


「「おおおおお」」


石は綺麗に水の中に着水した。あとはこれを繰り返すだけかな・・・あ、一つしか動かしていないのにかなり疲れている。にしても囲った範囲拡がってないか?こんなに広かったっけ?


「ああ、それ私が頼んで広げてもらったの女子三人でまとめて入れるように」

「そっか・・・天衣?大丈夫か」

「あ、ああ。大丈夫だ。でもちょっときついかな」


最近の日本語の表現であるけど大丈夫、でもきついってそれ意味的にもどうなんだろう。言わんとしていることは大体伝わるから問題ないのかな。


辛そうにしながらも何個も何個も石を水に投げ入れている。こいつってこんなに根性あるやつだったか?角先のリーダーシップに続いて新たな・・・あれ?僕ってこいつのことあまり知らないから新しいともなんともないか。うん、クラスメイトの新たな側面をしれてよかったな。


「ふう・・・ふう。よし、大分コツがつかめてきた」


ペースが上がってきているな・・・そろそろいいんじゃないのか?湯気がかすかに立ち始めているし。・・・聞いてないな。しょうがないここは僕が確かめてあげるとするか


「y「紅、俺が見るから。お前探索で疲れてるだろ?」」

「お、おう」


急に叫んでどうした?まあ僕の代わりにやってくれるって言うんなら僕としても構わないんだけどな。あ、天衣が微妙な顔をしている。角先も苦笑いだ。一体どうしたっていうんだろう。


「問題ないと思う。俺の基準だから各自の家と違ってたら諦めてほしい」


各自の家のお風呂の温度まで対応していたら天衣がさすがに持たない。というかみんなの家庭は何度なんだろ。うちは実は39度で少し低めなんだ。だいたい平均が40度ぐらいなんだよな


「どうなんだ?俺ん家は少し熱めの42度だが・・・そんなもんどうでもいいよな」


そうだな、どうでもいいことを話させてしまいすまない。丁度いいみたいだし早速入ってみるとしますか。計画を立てる前に角先が話していたようにレディーファーストということで女子に譲りますか。


「え?まさかと思うけど同じ水を使うの?」


何を言っているんだこいつは。手間を考えたらいちいち入れ替えるわけにはいかないでしょうに。信んじられないような顔をしていますけどね・・・天衣の顔を見て言いなさいよ。山胡桃さんが石を準備してくれるって言うのならいいけど。


「なんで「まあまあ、山胡桃、この状況だ。女子として辛いのはわかるけどここは我慢してくれ」まあ角先が言うのなら」

「・・・」

「言いたいことはわかるが落ち着けよ。これ以上雰囲気を悪くしないでくれ」


天衣に感謝するんだな。やっぱり相当トラウマを植え付けてしまったのかな。僕と山胡桃さんの間にはかならず角先がいて万一のことが起きても対応できるようにしているし。いや、間というか・・・二人距離近くないですか?え?一体何があったんだ?二人ってそもそもそんなに仲良かったっけ


「おーい。戻ったよー」

「あら、丁度よく戻ってこれたわね」


お、タイミングよく探索に出かけていた四人が戻ってきたな。危ない、動揺していたおかげで微妙になっていた空気に気付かれることがなかった。うん、ほんと、動揺しています。さっきの理不尽な言葉を忘れるくらいには


「よし、じゃあこれから女子が水浴びをするってことでいいな?一応俺たちはその間探索に出かけておくから」

「それはいいわ。それより麺山くん、土壁をお願いね」

「ああ、そう言えばそうだったな」


五月雨さんの指示に従って土の壁が建てられていく。えっと、簡単に説明すると

             ___

     川      |風呂 |      川

____________|___|_____________

       |                |

     土壁|                |土壁

       |________________|   |焚き火|

             土壁


だいたいこんな感じ。分かりにくかったらすまない。で、僕らは風呂の真正面の土壁の後ろにいろと。それが無難かな。位置を計算したら普通に見ることができそうだし。きちんと管理しておいたほうが安心だよな。ちなみになんでか知らないが四万十さんが土壁に『付加』して防音にしたそうな。『付加』ってほんと便利だよな。


「一応言っておくけどその場所・・から動かないでね」


お、おきまりの言葉をいただきました。そのまま彼女たちは向こう側へと消えていく。図だと隙間はないようにみえ・・・ないから大丈夫か。おいこら、米柔よ。急にそわそわしだすんじゃない。ここでそんな覗き行為をしたら雰囲気最悪だぞ。・・・はい、自分のことは棚にあげてます


「いや、ここで見なけりゃ男がすたる」


馬鹿だろ、こいつ。ん?そういえば覗かないでねじゃなくて動かないでね?わからん。まあどっちだろうと僕はなにもする気がないしいいや、勝手にして。


「やめとけって米柔」

「そうだな。俺も麺山と同じ意見だ。多分めんどくさいことになる」


二人は止めてくれている。すごいな。止めること自体がめんどくさい気もしないでもないけど・・・というかあいつらは見たくないのかね(棚上げ二回目)


「俺と天衣はお前と山胡桃のことを見てるからな。これ以上雰囲気を悪くするようなことはしたくないんだよ」

「つまりは僕がいなかったら覗いてたと」

「なんでだよ?例えそうでなくてもあんなことすれば空気が最悪になるのは目に見えてるんだし、しないって」


空気が重いと辛いもんな。それだと先ほどの空気とかを知らない麺山はなんで?米柔も言っていたがこういうときに覗くのが基本的な男のさがじゃないのかな


「あいつは日暮さんのことが好きみたいだ。そして疚しいことをしたくないと」


お前いつそんなこと知ったんだよ。「さっき。ちなみに土壁を作ることを提案したのも麺山だ」なるほど、あいつ、一途なんだな。


「それと、山胡桃のことなんだが」


なんだろ?昨日の見張りをしてたときに少し話でもしたのかな。少し言いにくそうにしているから多分悪いことなんだろうけど・・・さてさてさーて、何が出てくることやら


「茶化すなよ。それ「うわあああああああああああああ」何事?」


声のした方向ー右の方向「まてなんでそんなところから声が聞こえるんだよ」を向くと、


「た、助けてくれ」


地面から生えている蔦に巻きつかれた米柔の姿があった

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