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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第4章契約
139/317

有能なようで無能

ブクマありがとうございます

これからも頑張ります

???


「グルルルル」

「よし!初動は止めたな。まずは2体同時に相手できるか挑戦だ」

「へえ?お前がそんな風に挑戦って言葉を口にするなんて久しぶりだな」

「混ぜっ返すなヤマト・・・ミライ、クレア二人とも頼むぞ」


この2匹は雄と雌それぞれ一匹ずつらしいがどっちをどっちが対応するのかさっき話し合っておいた。やはりというべきか雄の方が火力が高いみたいだ。逆に雌の方は口から吐く炎のブレスの頻度が高いとか。つまり近距離戦闘が得意な僕が雄を、ブレスを防ぎやすい遠距離戦闘の得意なクレアが雌を担当することになった。と、言ってもさっき『領域』を切っちゃったから近距離性能がかなり落ちているんだけどね


さて、さっそく雄の龍の目の前に立つんだけど、前回はすぐに撤退しちゃったからこいつらの特性をいまいちつかめていないんだよね。まあおそらく火属性の龍であろうことはなんとなく予想しているけどイフリートのことだしノリで風属性にしましたーとか平気でやってきそうなんだよな。


「『電気鎧(armor)第三形態(third)』」


ドラゴンの攻撃って言ったら大抵は突進、口から吐く炎ブレス、かぎ爪による切り裂き攻撃、尻尾の叩きつけとかが考えられるよな。そのどれでも対応できるように脳の処理速度向上にリソースを割くか。


「ミライ!できる限り龍をその場から動かさないように動いてくれ。クレアがもう一体を位置誘導してる」

「わかりました」


細かなことは後ろからユンさんが支持をしてくれるし僕の第一目標は死なないこと、死なないでできる限り長く前線に立ち続けること。そのために僕は自分の全ての力を出し切る!


「こっちをむけ『放電(thunder)』『地雷(trap)』」


そのためには僕自身に意識を向けなければならない。電撃の狙う場所はもちろん簡単に狙えて当たると嫌な顔。できれば目に当てられるとついでに目潰しで視界を奪うことができるので望ましい。ま、僕程度の力でそんなことができるとは思っていないんだけどね。さらにどうせ巨体すぎることをいいことに足元に直接罠を設置する。でかずぎて全く麻痺が効いていないけどこれも仕方がないよね!っと、翼を使って空中に浮かぶなんて聞いてない


「『風の刃』・・・やはり防がれるな」

「ならツキはブレスを風でずらすことを意識してくれ・・・ほらくるぞ!」


龍が急に口を開けて吸い込み始める。これはブレスがきますね。ついでに言えばこれで開いての属性が判別できるから、まあ、そこまで悪くない、か?


「『桜嵐』」

「『四方結界』」


ユンさんを中心に魔法陣が出現する。これは、防御結界か?ダメージを一時的に軽減するとか。ま、なんにせよ二人のおかげで炎のブレスはなんとか防ぐことができた。てかやっぱり火属性のドラゴンだったか。確かに鱗が赤いしな


「鱗はあんまり関係ないぞ。むしろ赤ってことはかなり強いから気をつけろ」


あ、そうなんですね。ご丁寧な解説ありがとうございます。鱗の色と強さの関係性をきちんと教えていただきたいけど状況が状況なので後回しでお願いします。


さて、空中にいられるとまずいな。魔法が届かない。これでは敵の意識を僕の方向に向けることができないじゃないか。しゃーない。翼を狙おう。


「『電気の領域(field)』『創造(creat)』」

「ミライの爆発がくるぞ!ツキ散布の手伝いをケイは少しの間だけタゲ集中を」

「りょうかい」

「頼むぞミライ『挑発』」


ケイさんの方に意識が向く。これでツキさんが砂鉄を龍の翼を周辺に撒き散らかしてくれる。前もって話していた龍が空を飛んだ時の対処方法。一匹だけならまだしも二匹とも飛んでしまわれると大惨事だ。そしてこういう時は一匹が飛ぶともう片方も一緒に飛ぶ傾向にある。だからなおさら抑えなければならない


「『桜嵐』準備ができたぞ」

「ツキさん助かります『爆発(dynamite)』」

「ぐぎゃあああ」

「やっぱり一撃じゃ無理か」


爆発には成功したものの翼を負傷させて落下させることはできなかった。少しだけふらついたけれどもあれではすぐに立ち直ってしまうだろう。


「いや、これでいい。ふらついている今ならもう一押しで叩きつけられる『叩きつけ』」

「『空間切断』」

「え?でも龍にその魔法は効かないんじゃ」

「まあ見てなって」


急にユンさんが魔法を唱えるから驚いてしまった。ドラゴンがもともともっている対魔力によって防がれてしまうのではなかったのだろうか。あ、でもユンさんの魔法はドラゴンの下、ドラゴンと地面の間の空間に作用している。ほら、やっぱり効かなかったじゃないか。ケイさんの叩きつけで地面にかなり近づいたけどもう一押しが足りなかったか。地面から鎖でも出して縛り付けるとかしないと飛ぶのを防ぐことは無理みたいだな。・・・ん?


「え?」


僕が見ている先、ドラゴンがまるで地面に吸い込まれるかのように引きずられているのが確認できた。これは一体どういうことなんだ?


「確かに俺の魔法は効かない・・・だが、間接的なものなら影響を与えることが可能なんだよ。こちとら伊達にこれまで戦ってきたわけじゃないんだよ。空間をえぐり取って(・・・・・・・・・)それを塞ぐ(・・)ために起きる空気の流れは止めることができない。近くにいようがこれくらいできなきゃ俺はもう死んでんだよ!」


つまりドラゴンの足元の空間を消してそこを真空状態にしたっていうのかよ。なんて魔法だ。でもこれならほとんど地面にいるのと変わりない。この距離なら・・・ギリギリいけるな


「『創造(creat)』」


砂鉄を集め剣の形にするのではなく、()の形にする。地面から出現させ、そしてドラゴンの足を・・・とらえた。縛り付ける。これで飛ぶためには足の鎖を引きちぎらなければならなくなったぞ。


「グルルルル」

「破られるのはや!」


え。ちょっとまって。一瞬だったよ。ちょっと翼がはためいたかと思ったらすぐに破られたんだけど。そんなに強度ないの?


「ミライ・・・やるならハルぐらい本気でやらないと多分無理だぞ」

「そ、そうなんですか」


あんまり目の前の敵から目を離すのはよくないけれどちょっと後ろを振り返ってクレアたちの様子を確認する。もう一匹のほうはどうなっているのかというと・・・え?地面に押さえつけられている?よく見ればかすかに雌龍の体に電気の気配を感じる。仕込むことに成功したのか。そして地面にもまた電気のゾーンを設置して飛ばないように抑え込んでいるって感じだ。すげー。


「あれでもあと一分もつか厳しいだろうな」

「え?」

「見たらわかると思うがハルのやつあの魔法以外まったく唱えていない・・・なんでお前は魔法をひとつ常に維持しながら他の魔法を使えるんだよ。まあそれはともかく、あの魔法ひとつに意識を集中しているからなんとか抑え込んでいるけど魔力の消費がやばいからな。さっきのキメラアントで一回使い切ってしまったし」


そういうものなのか。ならかなり状況はヤバイってことだな。あそこまで押さえつけているってことは向こうの龍も飛ぼうとしていたってことだしこちらもさっきかなり追い込んだはいいものの・・って危な!


「『電気の領域(field)』」


反応が遅れてしまったけどなんとかギリギリ間に合った。尻尾が僕に向かって叩きつけられていたんだな。・・・でもまじかよかなり押されてる。『領域』で吹き飛ばそうとしてもそれを耐えてなお振り下ろされそうになっているんだけど。


「『桜嵐』」

「!助かりました」

「礼はいい。それよりもタゲを」

「はい!『放電(thunder)』『電気の領域(field)』『創造(creat)』」


連続で魔法を放つけどなかなか思うように当たらない。やっぱり対魔力が強すぎる。まあそうじゃなきゃこんなにユンさんとかが苦労しないんだけどね


「もしかしてお前、遠距離タイプに弱いのか?普通に電気の槍とか使えないのか?」

「使えないんですよ!てかどうやって使うんですかあんな魔法」

「まじかよミライお前なんでユニークな魔法は使えるのにみんなが当たり前のように使っている魔法使えないんだよ」


知りませんよ!習わなかったんですから。僕が使える魔法ほとんど独学ですよ!ま、まあクレアを始め色々な方々の戦闘から学ばさせていただいてますけど


「そうなるとまじでヤバイな・・・ミライ、クレアスイッチだ。ケイ、ユリはここに残ってクレアの援護、残りの面子で雌のほうをさきに潰すぞ」

「了解!」


あ、僕が普通に魔法を使うことができると思っていたんですね。すみません、言ってませんでした・・・てかそんなこと聞かれなかったからしょうがないですよね!


「普通思わねえだろうが!はあ・・・この手は使いたくなかったんだが仕方がない。お前ら!乱戦になるから準備しとけ!」


え?やばいユンさんの作戦についていけなくなったんだけどこの人一体何をしようとしているんだ?まあこういう時は指示に従ってさえいれば問題ないなんとかなるかな

よろしければブクマ評価よろしくお願いします

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