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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第4章契約
136/317

対多数の戦い

???


「ミライ!俺のことを気にしないで突っ込んでいけよ。『一閃』」


ヤマトさんは腰を低く構えるとそのまま蟻の群れに突っ込んでいった。でも言いたいことはわかりました。僕も気にせずに突っ込んでいきます。


「『放電(thunder)』」


電撃を放ちながら砂鉄の剣を振り下ろす。くっ、弾かれたか。こいつら普通に鉄よりも硬いのかよ。


砂鉄で作り出す欠点だな。ただただ静電気で集めているだけだからそこまで強度がない。ちょっと硬い敵とぶつかってしまうと普通に打ち負けるというか切り落とすことができない。


「やわらかいところを探すしかないな『地雷(trap)』」


足に電気を集め高く飛ぶ、そして今自分がいたところに静電気の罠を設置。いつのまにか横に回り込まれていたのかよ。5匹ぐらいがかかった。数が多すぎる。この5匹を倒す間に他のキメラアントからの攻撃を食らってしまう。


「『電気の領域(field)』」


着地のタイミングで『領域』を発動し一旦他のキメラアントを吹き飛ばす。これで少しだけ時間を稼げたな。今度は手に力を込めて一匹をひっくり返す。表面が硬くてもお腹がやわらかい敵はごまんといるからね。


「よし!」


突き刺さった。予想どうりお腹なら攻撃がとおる。それさえわかったらもう大丈夫だ。戦いの組み立て方がわかった。


「『斬撃』!」

「!」


今のはヤマトさんの攻撃。後ろを向けばキメラアントが二匹倒れたところだった。いつのまにか接近されていたのか。気がつかなかった。


「ミライ!今は敵に囲まれていると思え。油断すればすぐに捕まるぞ」

「わかりました」


ユンさんから指示が飛ぶ。多数を相手にするのに慣れていないからちょっと難しいな。でもやるしかない。


「『電気の領域(field)』」


吹き飛ばす為の『領域』ではなく設置型の、感知用の『領域』を展開する。これでもう死角を取られることがなくなった。それに、場所がわかれば正確に狙える。


「へえ、やるじゃねえか。もしかしてさっきの余計だったか?」

「いえ、助かりました。今は感知魔法を使っているからですよ」


僕が何をしたかといえば静電気でくっついていることをいいことに砂鉄の形を自由に変形させ後ろにいたキメラアントをしたから突き刺しただけだ。僕が剣を新たに買わないのもこれが理由だ。自分の意思に従って形を自由に変形できる、そんな剣を僕は知っているからね。


でも形を変形するのはいいが、僕から離れ過ぎればそれだけ僕のほうで制御する為に多く魔力を消費する必要がある。鞭のようにしならせるのもいいがそれは多用し過ぎれば他に割く予定の魔力を回さなければならなくなる。・・・やっぱり長引けばきついな。


「ユンさん!もう一度広範囲攻撃を使用します。その後一旦前線から離脱します」

「まて!もう少ししたら交代するからその時に使用してくれ」

「わかりました」


もう少し耐えなければならないわけか。となれば今僕が使用している魔法は、『電気の領域(field)』と『電気鎧(armor)第三形態(third)』、『創造(creat)』の三つ。消費量を考えたら何かを解除したいけどそれは無理だし諦めよう。


くっ、また僕の『領域』に敵が引っかかる。気をぬくと本当に後ろに回り込まれてしまうな。もっと立ち回りを意識しなきゃ


「『爆発(dynamite)』」


こっちのほうがまだ消費量を節約できる。今みたいに後ろを取られてもすぐさま体を回転させて不意打ちを防ぐ。そのさいに回転力を利用して砂鉄をばら撒きそれに着火。ついでにまわりにいるキメラアントにもダメージを与えられるから万々歳だ。・・・やっぱりこれを成功させるためにも後ろの感知用に『電気の領域(field)』は外せないし反応速度を確保するためにも『電気鎧(armor)第三形態(third)』は必要、おまけに今の攻撃の主軸だから『創造(creat)』を切るなんて論外。普通に厳しいな。


でも、もう少しで交代だっていうし、交代の直前の広範囲魔法を成功させる為にも布石を放っておこう。もう一度足に電気を集め、高く飛ぶ。これも手助けなしで飛べるようになれれば消費を節約できるんだけどね。


高く飛んでふと、下のほうをみる。うわ、気持ち悪い、黒いのがうじゃうじゃいるよ。あれ全部キメラアントなのか。うぷっ、吐き気が。ここでダイナマイトクラッシュをきめてもいいけどそれは僕の尊厳を失ってしまうことと同義だしやめておこう。


「『創造(creat)』『放電(thunder)』」


砂鉄をできる限り集めながら下に向けて電撃をぶちかまし着地スペースを確保する。・・・まずい敵が多すぎて十分なスペースを確保することができてない。


「『電気の領域(field)』」


結局『領域』で吹き飛ばした、と。まあいいや。そろそろいいだろうし行きますか。砂鉄も十分に集まったし。


「『串刺し(skewer)』」


まわりにいたキメラアントの腹の下に全て砂鉄を広げ、そこから一気に串刺しに。よっしゃあ。決まった。っと、広範囲かと思っていたけど予想よりもはるかに小規模だったな。じゃ、一旦撤退するか。


「『放電(thunder)』」


電撃を放つタイミングに合わせて地面を蹴る。これで一気にみんなのところまで飛べるはずだ。あ、あとせっかくあそこまで砂鉄を集めたんだし、使わないともったいないよね。


「『爆発(dynamite)』」


おおー!結構集めてたんだな。爆破のほうはきちんと広範囲に行き渡りかなりの数のキメラアントを殺すことに成功した。また、それによって一時的にだがこちらがわはキメラアントに埋まっていない地面を見ることができた。


「やるな。お前・・・だが、まだ若いな。魔力が大分限界だろ。少し休んでおけ」


あと、1、2分ぐらいなら戦闘を維持できるけどここはおとなしく従う。やっぱりこのタイミングで新技の練習なんてするもんじゃなかったわ。力の入れ方がわからなくてかなり余分に魔力を注いでしまった。


「『回復』大丈夫ですか?ミライさん」

「なんとか」


ユリさんが体のほうの傷を回復してくれたので『電気鎧(armor)第三形態(third)』の反動もほとんどない。これなら『自己活性(heel)』を使わなくても大丈夫そうだ


「あんなにめちゃくちゃに魔法を使うなんて・・・魔力切れになっても知りませんよ?」

「だ、大丈夫ですよ。ここにいればすぐに回復しますし」

「確かにダンジョンは空気中の魔力濃度がかなり高いので回復は早いですけど」


だから問題ない。でも・・・やっぱり悔しいな。基本的なスペックが違いすぎる。ヤマトさんは今もなお向こうで戦線を維持しているし一方ではハルさんも僕と同じく広範囲魔法を使い続けている。一撃の威力といったそもそものスペックが違いすぎて僕が彼らと同じだけの成果を上げようとすれば消費量がめちゃくちゃ必要なのだ。まあ、それに言い訳させてもらうなら魔法を三つ同時展開とかほんとバカだからな。その上で4つ目5つ目の魔法を使っていたし。・・・ま、どんなに言い訳を重ねても僕が弱いという事実は変わりないんだけどね


「まあ新技はもっと余裕あるときに使ってくださいね」

「はい・・・」


全部見抜かれてた。恥ずかしいな。というわけでしっかり休んでもう一度前線に戻れるようにしよう。つぎはもっとうまくやれるさ。

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