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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第4章契約
131/317

やっぱり爆発は強い

???


「どうする?」

「多分前の階層と同じなら二人がかりでも厳しいよな」

「そうだね」


ゾンビと直面する。多分一番強い奴。さっき『放電(thunder)』を放ってみたけどまるで意に返していないっぽかったし一番強いんだろうな


「でも動き遅いし『地雷(trap)』」

「了解『火剣乱舞』」


クレアが山ほどの剣を生み出し僕が罠を設置する。向こうも僕らの方に向かってきているしそのまま突っ込んでくれ


「うおおお」

「いやまじか」

「ミライちゃんとしかけた?」


しかけたよ。でも普通に歩いてきているんだけど。電気が発生しているっぽいんだけど・・・あ、もしかしてゾンビって感覚ない?


「それはあり得そうだね」


クレアが剣を放ってくれているからそれで多少距離を取れる。『地雷(trap)』を使ってはめ倒す戦い方は無理みたいだな。


「僕が近接で戦うからフォローお願い『電気の領域(field)』『電気鎧(armor)第二形態(Second)』」

「了解」


砂鉄を体にまとってゾンビに突っ込んでいく。そのまま出会いがしらに頭をぶん殴ってみる。何かが砕けるような感触が伝わってきてうう、気持ち悪い


「ミライ!」

「まじか!」


完全に頭を潰したと思ったんだけど腕を掴まれてしまった。え、まって。僕頭を破壊したよね?


「くっ『放電(thunder)』」掴まれていない方の手で電撃を放ってみるも無反応だ。いや、当たってはいるんだけどダメージを負っているように見えない。てか怯まない。やっぱりこいつら神経通ってないのかよ。


「じゃあなんで動けるんだ?」

「・・・イフリートの加護とか」


自分で言ってなんだけどイフリートの加護強すぎる。てか弱いゾンビとの差が激しすぎる。これあれだろ。さっきの集団のやつで一人残っていたのたまたま爆発から外れてただけだろっておいまて僕の腕をどこに持っていくつもりだ。


「ミライ!」

「うぐうう」


僕が破壊したのはあくまで頭の上半分、つまり口とかは無傷だということ。だからそこに運ばれた僕の腕をこいつは食いちぎりやがった。肉がえぐられる感触。二口目はまずい。


「クレア!もう僕ごとこいつを燃やしてくれ『電気鎧(armor)第三形態(third)』」


筋力を強化して振り払おうとしているけどそれも難しい。


「『魂の火剣(fire・soul)』」

「ナイス!助かった」


クレアが大きな火の剣を作り出してくれて僕の腕を持っていたゾンビの腕を切ってくれた。切れ味プラス炎を纏っていたことで切断することができたみたいだ


「大丈夫か?」

「なんとかね・・・」


改めて自分の腕を見てみる。うん、一口しかかじられていないみたいだからなんとかなりそうだな。でも出血はやばいけど。めちゃくちゃ出てる。止血しなきゃ


「なんでこんなに血を失っているのに普通に動けるんだ?」

「これも『電気鎧(armor)第三形態(third)』の効果かな」

「な・・・すまん『火《fire》』」


突然僕の腕をクレアが燃やす。ああ、燃やしたことで止血してくれたのか。ちょっと焦げたのか吐き気を催す匂いが辺りに立ち込める。


「ミライ一旦電気鎧(armor)第三形態(third)は解除して」

「・・・わかった」


クレアに言われたように解除する。するとすぐに体がふらつき立っていられなくなる。立ちくらみだ。多分文字どうりの貧血だろうな。


「『自己活性(heel)』」


体の回復に努める。でも失った血液は補充されない。少し楽にはなったけれどもこのまま血を失い過ぎれば普通に失血死で死んでしまうな。


「こいつは僕一人でやるからミライはじっとしてて」

「わかった」


確かに今の状態の僕が立ち向かったところで役に立たないのは目に見えて明らかだしね。『電気鎧(armor)第三形態(third)』で無理やり戦ったとしても戦闘後のことを考えると悪手だしまだあと3階あるわけだからね。


「『炎の鎧』」


クレアの全身が炎で覆われる。


「これは保険だよ。さすがにゾンビといえども弱点の火にはなにかしら反応するだろうし『炎の舞』」


そのままゾンビを炎の渦で閉じ込める。でもそれも効いていないのかまだこちらに歩いてくる。


「どうやら心臓も貫かないと無理っぽいな」

「そうだね」


そういってクレアは剣を構える。そういえばこいつは剣そのものをもらっていたよな。『炎の鎧』の効果によって剣にも火が纏わり付いている。


「『炎の壁』」


ゾンビの目の前に火の壁を作り出す。さすがにゾンビも自ら炎に突っ込んでいく勇気はないようで立ち止まるみたいだ。


「解除・・・うおおおおお!」

「まじか」


立ち止まったのを見た瞬間、すぐさま解除する。そして火の壁に戸惑っていた瞬間を狙って手にした剣を持って一気に突っ込み、そのまま心臓を1突き。


「燃えろ『発火』」


刺したあとすぐに距離をとって唱える。すると刺していた剣が燃え上がりそのままゾンビ全体に燃え広がった。


「何をしたんだ?」

「ああ、あらかじめ剣に火種を仕込んでおいたんだ。そしてタイミングを見計らって発火させた。要は遠隔起動だね」

「なるほど」


にしてもだけどクレアのやつ一人で片付けやがった。こいついつのまにここまで強くなったんだ?


「なんかこの階層の敵って倒しやすいね。動きも遅いし急所も明確。その点さっきのスケルトンの方が面倒なくらいだよ」

「それは、そうだけどさ」


この階層の敵は僕にとっては相性が悪いかもしれないな。頭と心臓を両方潰さないと倒せない敵に対して一撃ではその両方をつぶすことはできない。そして一回接近することで何かしらのダメージを負ってしまう。てか麻痺らない時点で大分きつい。まあ麻痺らないのはスケルトンも同じだけどさ。


「う”お”お”」

「え?」


向こうからまだゾンビが歩いてくる。まじかよ僕が頭潰してクレアが心臓に剣を突き刺したはずなのに。


「くっ『火の玉』」


クレアが火の玉を生み出しそれをぶつけていく。それでもまだ倒れない。・・・仕方ないな


「『電気鎧(armor)第三形態(third)』」

「ちょ、ミライ!?あっ」


ゾンビに近づかれ過ぎてしまったな。そのせいで今度はクレアが捕まってしまった。


「大丈夫だから!『火の領域(fire・field)』」


クレアが『領域』を作り出しゾンビを吹き飛ばす。あ、さっきもそうすればよかったかな。


「『放電(thunder)』」


とりあえず足を狙おう。そうすれば足を失ってただでさえ低い機動力が大幅に低下する。そうすれば捕まるなんてこともない。逆に今までよくゾンビたちを倒せてたな。


「やっぱり強さに差があるね。クレア、砂鉄を」

「了解『電気の領域(field)』、『創造(creat)』」


砂鉄を生み出しそれをゾンビのいるところ付近にばらまく、あ、クレアの剣まだ刺さってないか?


「大丈夫。火属性の耐性はかなりあるから『(fire)』」


クレアが放った火により着火して爆発する。多分僕らが使える魔法の中でもコストの割には威力の高い魔法だ。やっぱり砂鉄が使えるのと使えないのとでは使える魔法の威力が大幅に変わるな


今回はそれもあって、威力が向上したことにより、もっとも強い個体についてもスケルトンの時と比べてまだ被害が少なくて済んだ。

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