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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第4章契約
129/317

二階層の敵

ブクマありがとうございます

これからも頑張ります

???


階段を上って次のフロアに向かう。さあ次の階層にはどんな敵が待ち受けているのかちょっとわくわくするな。ユンさんたちの後について出て行くと・・・最初の階層とは違い、狭い通路などがなく、そこには一面開けた空間が広がっていた。見渡すかぎりに木々が生えている。僕らは木々の真ん中に出てしまったようだ


「え?」

「これは・・・」


完全に森の中だ。僕の中では森って言ったらあのふざけた神獣のことを思い出してムカつくんだけど


「なるほどね。一階と比べて広い空間にどう対処するのか見るって感じかな」

「とにかくまずは探索か?」

「そうだな・・・お前らは宝とか興味あるか?」

「「ないです」」


そういえばダンジョンにはあちらこちらに宝が落ちているんだっけ?そういえばこの仕様だと先に到達するものがだいぶん楽に探索を行うことができるのか。逆に言えば他の冒険者たちに先を越されてしまうとかなり苦しいことになるとも言える。


「そうか・・・お前ら、手を出してくれ」

「?」


言われたからには手を出すしかない。すると、ユンさんはどこからか取り出した腕輪を僕らに装着した。


「これは?」

「ああ、居場所探知の腕輪だ。これをつけている間お前らの居場所はすぐにわかる。ああ、一応言っておくが無理やりに外そうとすれば死ぬからな?」

「え・・・」


なんてものを僕らにつけるんだ。僕らの命なんてどうでもいいとでもいう気なのか。あ、言ってたな。むしろ殺したいって。いやぁ気をつけないとすぐに忘れてしまうな。


「俺たちはしばらく探索をしてくる。お前らは好きにしとけ・・・ああ、そうだその前に食事でも済ませとくか。クレア適当に火でも出してくれ」

「ええ・・」


ということで、一旦見晴らしのいい場所で食事をとることにした。そういえばこのダンジョンに入ってからまともに食事を取っていなかった気がするな。てかやっぱり『空間』スキルは便利だなぁ。ユンさん一人いるだけでこういう時にだいぶん楽になるよな


ユンさんが適当に具材を出してそれをひたすらクレアが火を出して炙っていくってだけの料理だったけどそれなりに美味しかったな。焼き芋とか焼き栗とか普通に美味しいし。さすがに箸とかの準備は面倒だからしなかった関係で魚とかは食べなかったけどこの階の攻略が済めば周りに資材がたくさんあるとのことでちょっとしたバーベキューみたいなことができそうだな。僕には決定権ないけど。


「お前ら食べたか?んじゃ勝手にしとけよ。あ、でも死ぬなよ?壁が減るのは困る」

「わかりました」


なら一緒に連れて行ってもいいんじゃないかって思うけど土壇場で僕らに奪われることでも考えているのだろうか。僕らは宝に興味がないってずっと言っているのにさ


ユンさんたちがどっか行ってしまったので残っているのは僕とクレアだけ。さて、少し時間がかかるだろうからどうしよっか?


「とりあえず、僕らは新魔法の練習をしよう。・・・僕らだけでも勝てるくらいに強くならなきゃ」

「そうだな。・・・なあ、クレア」

「なに?」

「僕らはさ・・・強くなったかな?」

「・・・」


あの、ゴブリンを前にして僕らは何一つできなかった。さっきの戦いだってユンさんたちの助けがあって・・・いや、ゴブリンがそもそも僕らを狙おうとしなかったから僕らは自分の力を十分に発揮することができた。僕らだけでは絶対に倒すことができなかっただろう。それだけは断言できる。


「敵を探すか。またスケルトンかな?」

「んーどうだろ?何かヒットするか探知するか。スケルトン系じゃなければ僕のでも探れるだろうし」

「だな」

「『熱探知』」「『探知(feel)』」


二人掛かりで何か生き物がいるかどうか探してみる。イフリートの性格からして同じ種類の敵を出すとかなんてしそうにないんだよね。となればスケルトン以外の敵がいるとみて間違いない。となれば電気が通っている敵がいるとみて僕の探知がきちんと反応するはずだ。


「!向こうに2つ反応あり」

「ユンさんたちじゃないよな?」

「ああ、4つ反応があるところがあるしそこがユンさんたちの場所じゃないのか?」

「だね」


というわけで反応があった場所に向かう。近くには他にないからね。僕もクレアも両方が感知することができたからこの階層は不意打ちとかそういうのは起きなさそうだ。


「!いた」

「あれは・・・人間?」

「いや、あれはゾンビだね」

「へ、あ、まじかよ」


そこにいたのは人間の姿をしたものたち。だが、血が通っていないのかその皮膚は酷い土気色だ。おまけに体のあちこちに怪我をしていて血がかなり出ている。てか片方は腹の辺りにそこそこ大きな穴が空いているんだけど。よくこの状態で生きて入られたな


「そういう状態の死人をゾンビって呼んでいるんだよ」

「そうなのか」


クレアのやつ物知りだな。ついでにいえばあれもまた火属性に弱いとか。まあ確かにゾンビ系統が火に弱いってのは有名だしな。でもそれがなくても他の属性でも普通に勝てるだろうし、僕でも大丈夫かな


「練習をさせてくれ『炎の壁』」

「それもそうだな『電気鎧(armor)第3形態(third)』」

「それを練習するのか?」


いやだって、普通の『電気鎧(armor)』だとなかなか敵を倒すことができないっぽいし。もう副作用のことは諦めた。強くなるためだ、手段を選んでいられない。普段もずっと『自己活性(heel)』を使い続ければ日常生活も問題ないだろう。


さて、今回は練習を兼ねているから一人一体だな。ゾンビの動きは・・・やっぱり早くないな。さっきのゴブリンに慣れてしまったせいかむしろ遅く感じる。


「動きが遅いならいい練習台になりそう『地雷(trap)』」


ゾンビの歩いていく方向に電気ゾーンを設置する。動きを止めるってイメージが地雷だからそういう名前で関連づけよう。地雷ならむしろ足を奪うことを目的としてるから・・・あながち間違っちゃいないかもね


「ウ”オ”オ”・・・!?」

「よし」


うまい具合に引っかかってくれたな。さて、


「『放電(thunder)』」


狙うはゾンビの右腕。電撃を当てるだけでふきとばすことはできるのだろうか。威力高めで、命中は、うん、痺れて止まっているはずだから当てやすいはず。あれ?ゾンビって麻痺るのか?そんな話聞いたことないけど、動き止まってい・・・ないだと!?


「当たらないこれくらいの威力でも制御できないのかよ」


やっぱり『電気鎧(armor)第3形態(third)』中だと威力を出しながらの細かなコントロールが難しいな。これもしっかりと慣れていかないとな。


「結局なぐってんじゃん」


いやだって『放電(thunder)』が効果なさそうだし。えっと、確かゾンビ系って脳とか心臓を破壊すればいいんだっけ?頭に一撃入れてみるか


ぐちゃぁ


「うおえぇ」

「なんでミライがダメージ受けてるの!?」


腐ってる。腐ってるよ。頭に思いっきり拳を叩き込んだら頭が爆発してしまって脳みそがそこらじゅうに散らばって・・・グロテスクが服を着たグロテスクになっているよ


「いや何言っているかわからないんだけど」

「き、気持ち悪い」

「ああ・・・『ファイア』」


クレアが全部燃やしてくれました。おかげさまでなんとか意識を取り戻すというか落ち着くことができました。うん、今回の敵、かなりやっかいだ。特に精神的なダメージが計り知れない。


「というかゾンビくらいの固さだったら普通にふきとばすぐらいの力出るんだねミライの『電気鎧(armor)第3形態(third)』」


腐っていたからってのもあるし、体を限界まで酷使しているからね。人間本気を出せば人の頭をかち割るってことができるようになるわけだ。


「で?反動は?」

「・・・多分骨が折れました」


これは手首の骨が折れているかな。衝撃を吸収できないからこういう風に反動ダメージが積み重なっていくんだよね


「なあ、衝撃を吸収するように電撃を組めないのか?」

「あー考えたことないけど多分無理じゃね?原理知らないし」

「そういうものなのか」


そうだけど・・・だって一応僕なりの理屈があって初めて僕は魔法を使うことができるわけだし、電気に吸収なんてイメージを持てないからね。あ、でも機会があればそういう練習をしてもいいかもしれないな。


「とにかく今はゾンビの倒し方を考えよう。近接系だとメンタルきつい」

「そうだね・・・ミライにも新たな遠距離系魔法が必要かもね」


はあ、というわけで新しい魔法を開発するか。・・・ん?そういえば階層が変わったから地面がちゃんと砂のような感じになっている?そりゃ森だもんね。普通の土なのかな

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