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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第4章契約
124/317

謎の契約

ブクマありがとうございます

励みになります

???


そういえばつい最近もこんなことあったようなー振り下ろされる刀をみながら思う。確か、そう、僕が死にそうなった時に


『さすがにそれはつまらないなー』


そう、声が聞こえてって・・・え?


「誰だ?」

『関わるつもりはなかったけどそれはダメだよー「陽」の国の王子様?』

「!」


ユンさんって王族だったのかよ。ということはセリア先輩も?サリア先輩に続いて二人めの王族だよ。じつは他の先輩たちも同じように王族だったりしてね・・・ありえそうで困る。


というかなんだかんだで助けてくれるだなんて優しいな。


『いや普通は助けないよ?でも君たちがこんな序盤でリタイアしちゃったらこれからなにを楽しめばいいのかって思ったから今回だけー気まぐれよ気まぐれ』

「それで我々を炎で拘束したわけですか」


どうやって止めたのかと思えば突然現れた炎でユンさんたちを縛って動きを封じたみたいだ。


『ええ』

「ですがあまり精霊が我々人間のすることに口を出さないでいただきた・・」

『何か言ったかしら?まあ少しやりすぎな気もするから代わりと言っちゃなんだけど一つだけ教えてあげるわ。ボスはね、回復魔法を使えないの。つまりヒットアンドアウェイをし続けることができればいつか勝つわ』

「なるほど。代わりにこの二人を見逃せと」

『せめてこのダンジョンにいるうちわねー外に出たら殺してもいいわ。あ、あと無理に助けなくてもいいわ。見殺しならセーフ』

「それはつまり縄で縛って放置もあり、ということですか?」

『そういうことね』


ユンさんがこっちを睨んでくる。まじかよ。そんなことをしてくるのか・・・いや、待てよ。イフリートが時間稼ぎをしてくれているおかげで魔力が少し戻ってきた。見張りがいなくなればすぐに脱出することは容易だ。どこまで僕の魔法を知られているのかわからないけど『電気鎧(armor)第三形態(third)』のことは知られていないはずだし最悪『領域』を使ったりすればどうとでもなる


『じゃ、私はこれで見物に戻るわねーっと、忘れるところだった。えい☆』

「ぐうっ」

「隊長」

「ユン様!」


あ、ユンさんの左腕が燃えている。僕も以前やられたやつだ。


「すぐに治療します『回復ヒール』」

「助かった。ありがとう」

「いえ」


やっぱり本気じゃなかったんだな。敬意を払わない人間に対しての牽制みたいなものなのかもしれない。


「さて、こいつらの処遇だが・・・囮役として連れて行こうと思うんだがどうだ?」

「は?連れて行くのか?」

「そうだ。イフリートの口ぶりだとこいつらをなかなか気に入っている。つまり『選ばれる』可能性が高い。ならばそうなる前に殺すべきだ」

「それならば放置すればいいのではないでしょうか?彼らは荷物を全て失っているようですし」

「それこそダメだ。こいつらを目の届くところに置いておかないとやばい気がする」

「・・・」


僕らの処遇はどうなるんだろう。てかそろそろ『自己活性(heel)』使いたいんだけどダメなんだろうか。立っているのも辛くなってきたんだけど。回復したい


「ですが、彼らは国家間のきまりを破ったいわば犯罪者なんですよ?」

「いや、隊長の言うとうりだ」

「ケイまで」

「あいつらはイフリートのお気に入りっぽいし下手なことをすればこっちに怒りの矛先が向きかねない・・・そうなれば俺たちは全滅だぞ」

「それは・・・」


あ、なんか話し合いが行われているみたいだな。でもどうしよっかな。口出ししたいけど余計なことを言ったら殺されてしまいそうなんだよね。


「ミライ」

「うん、わかってる」


クレアの言いたいことは本当によくわかる。だって多分同じことを思っているから。今どんな形であれ、僕らはイフリートに助けられた。それは僕らが弱い(・・)からだ。強ければスケルトン相手に苦戦することもなく、死にかけることもなく、こんな風に惨めにイフリートっていう強い存在に助けられることもなかった。全ては僕らが弱いから。弱いから自分たちで何もできない。


だから思う。毎回毎回こんなことを思ってばっかりだけど、今が一番思う。


「「強くなりたい」」


自分で自分の道を選択できるくらいには、圧倒的な力の前に抵抗できるくらいには


「まあどのみち俺たちなら簡単にこの二人を殺すことはできるそれはみんな思うでしょ?」

「まあ」

「それは・・・」

「確かにそうですが」


ほら、こんな風に惨めな思いをすることがないくらいに強くなりたい。


「さて、俺たちの方針は決まった。クレアにミライ。次はお前らの方針を聞こうか・・・ここで殺されるのと俺たちの囮役として前に出るのとどちらを選ぶ?」


形の上では提案しているようだけどこれは要は脅しだよね。死にたくなかったら協力しろって。それも危険な囮役をしろって。


「運が良かったな。俺たちは二人あのゴブリンにやられた。ちょうど二人分余ってたんだ」


ああ、そっか。やっぱり殺されたんだなってか国の精鋭を簡単に殺すあのゴブリン頭おかしくないか?どんだけ強く設定されているんだよもう少し難易度を下げることできなかったんですかね。


「で?どうするよ。多分ここで断ってもいいぜ?殺すだけだしさすがにイフリートもそこまで邪魔してこないだろうし」


それはそうですね。さすがにそんなことはしないでしょ。イフリートが言っていたのは僕らを理不尽なまでの死(・・・・・・・・・)だけはさせるなってことだし。今みたいに自分たちで選択したのならそれをぐちぐち言うことはしないだろう・・・ああ、そっか。ユンさんたちがなんでイフリートの言葉に従ったのかわかった。もちろんイフリートの存在が人間よりもやばいってのもあるんだけど一番は自分たちと契約をされない可能性を減らすってのもあるんだな。


まあ、回答は決まっているし、もう覚悟を決めるかな。死にたくないし


「囮役になります」

「僕も同じく」

「ああ、わかった・・・だが、これ以上の回復は無しだ。自分たちで勝手にやってくれ」


ああ、よかった。やっと回復できる。なんだかんだで魔力が大分戻ってきたと思うし


自己活性(heel)

「・・・新技か」

「そうですね」


よし、これで少しは体が楽になったな。でも『自己活性(heel)』でも一つ問題があって魔力を山ほど使っているっていうのがあるんだよな。つまりいざ戦闘になった時は今の魔力分しか使えないってな。でもまあ状況が少しは良くなったと信じたいからうん、ポジティブにいこう


「じゃあ早速ゴブリン退治に向かおうか。囮が二枚あるんだ。その隙に俺たちが全力で叩き込めばいけるだろう。ああ、俺たちの攻撃が当たっても文句いうなよ?避けれない弱いお前らが悪い」


そうだよな。そして時間を空けずに挑むっていうのは僕らの全力を図ろうとしているってところだろうな。できれば知られたくないけどそんな出し惜しみなんてしていたら速攻で死んでしまうし・・・こうなったらユンさんの予想を上回るペースで成長して行ってやる


「ミライミライ・・・」

「どうしたクレア?」

「僕、回復魔法使えない・・・」

「え?」


とりあえず・・・不死鳥の炎でもイメージするか?あれ回復効果とかありそうだし。さあ、早速新しい魔法を覚えようではないか

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