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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第4章契約
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二人っきりで買い物

文月一週目水曜日


さて、準備をするといったものの一体何を準備すればいいのだろうか。食料か?それともナイフとか?こういった経験があんまりないから(あっても困るけど)こういう時にどうすればいいのか全くわからないな。


「ミライくん」

「シェミン先輩?」


そんな感じでわちゃわちゃしていたらシェミン先輩が声をかけてくれた。手には普通の手提げバッグを持っている。


「ちょっと・・・付き合ってくれる?」

「?いいですけどどこに行くんですか?」

「買い物・・・?」

「なんでそこ疑問系なんですか」


でもせっかく誘ってくださったしお言葉に甘えて一緒にいくとするか。なんなら先輩に色々とアドバイスをもらえるかもしれないし


「えっと・・・サリちゃんから・・・食料の調達を・・・頼まれた?」

「なるほどそれで街に行けばいいんですね」

「うん・・・授業は・・・サリちゃんが・・・誤魔化してくれる・・・って」

「なら安心ですね。では行きましょう」


何気にシェミン先輩と二人っきりでの行動なんて珍しいから楽しみだな。・・・!ふ、二人っきり?いや、ま、まてこれは単にあれだ買い物に行くだけだ。というかなんで僕はそれを意識しただけでこんなにも慌てているんだろう。べつに大したことないし。


「・・・?」


急に固まってしまった僕を見て不思議そうな顔をしている。「な、なんでもないですよ」さりげなく・・・はないけどなんでもない風を装う。慌てすぎてかなりどもってしまったけどまるでコミュニケーションが苦手な人ではないだろうか。あ、僕はもともと苦手だったか。



二人してーそのまま僕だけが微妙に気まずい空気のままーはあなんでシェミン先輩はいつも通りなんだろうかってなんでここで落ち込む必要があるんだ?街に降りてとにかく食料の調達に向かう。これは手馴れている僕が引っ張っていったほうがいいかな。でもそれだとなんでシェミン先輩をこの役割にしたんだ?


「このバッグ・・・私の・・・アイテムボックス」

「そんな便利な魔道具持っていたんですね」


聞けばおよそ一ヶ月分の食料を入れることができるのだとか。ただしそれを使うことができるのはシェミン先輩のみ。いわゆる個人専用の魔道具みたいだ。なんでもランクの高い魔道具ともなれば持ち主を記憶させることができるんだとか。その分価値が跳ね上がるみたいだが。ちなみにだけどこれだけの収容量のアイテムボックスでかつ個人専用ともなれば国の10年分の予算が吹き飛ぶそうな。なんでそんな代物を持っているんですかねー


「お父さんが・・・昔・・・ダンジョンで・・・見つけたって」

「そうなんですね」


ダンジョンすげー。だから躍起になるわけか。こんなレベルがポンポン見つかるとなればそれだけ力が入るよな。


「クレアが心配ですね」

「・・・クレアくんなら・・・大丈夫」

「だといいんですけど」


クレアの命とこのアイテムボックスなら後者をとるやつ多そうだもんな。


「それで・・・何を買えばいいの?」

「あ、あそこに行きましょう」


こういう災害(?)時において必要なものって携帯食料だっけ?だからお米とか水とか日持ちするものを中心的に揃えよう。・・・ん?そういえば


「アイテムボックスの中って時間はどうなっていますか?」

「え?・・・確か・・・止まってるよ」

「そうですよねー」


だからあんまり鮮度とかを気にする必要がないってわけか。仮に時間経過が発生していたとしてもサリア先輩に頼めば全部冷凍保存してくれそうだけどな。


「ちなみにだけど・・・調理道具?は全部揃ってる」

「もはやなんでもありですね」


中がどうなっているのかものすごく知りたい。人間は入れることができないみたいだから確認することができないけれど。いやほんとアイテムボックスとかの中って見てみたいよな。無限収納できて自由に中に入れたものを取り出せるなんてその仕組みはやっぱりきになるし。


「それで・・・次は・・・・なに?」

「そうですね。腐敗が問題にならないのなら栄養価の高い肉類も購入しましょう」


まともな食事なんて取れていないっぽいからな。幸いあいつのスキルは「火」だから倒した獲物の肉を焼いて無理やり食べることはできると思うけど・・・でも熱が効かない毒があったらそれで一巻の終わりだよな。


「ミライくん・・・これは?」

「それは・・・ぼ、僕らようですね」


シェミン先輩が指差していたのは唐辛子類。疲れているだろうクレアにこんなものを用意するなんてもしかしてSなのだろうか。あ、でも唐辛子って疲労回復効果があるのだろうか。それだったらこの判断は間違っていないな。疲労回復といえば酸っぱいものってイメージだけど僕はそこらへん全く詳しくないからね。梅干しとか酢の物とかあればいいんだけど。あ、あとはあれかレモンの蜂蜜漬け。よくスポーツ漫画なんかではマネージャーさんが差し入れとして持ってきていること多いし。


「そういえば山ほど買い込んでいますけどお金は大丈夫なんですか?」


先ほどから大人買いというか並んでいる品物をかたっぱしから買っている。軽く10人分じゃないだろうか。あまりの量に周りの人たちの視線をかなり集めているし。いや、どちらかといえばそれらをひたすら収納できているこのアイテムボックスにかもしれないが。


「サリちゃんから・・・たくさん・・・渡された」

「・・・そうなんですか」


具体的な金額は知りたくない気がするけど「えっと・・・金貨500枚?」いやそれ何を買うつもりなんですか。多分今市場にでている食べ物全部買ったとしてもお釣りがきそうなんですけど。そんな金額ポンって渡すとか本当にやばい。いや毎週毎週キング討伐して報酬を山ほどもらっているから問題ないんだろうけどさ。多分月に金貨1000枚は絶対に稼いでいる。もう学校に通う必要ないんじゃないかって思うんだけどね


「だから・・・気にせず・・・買おう」

「そうですね・・・確かにキムチは保存に適していますけど買いすぎでは?」

「え?」


なんで並んでいる商品の8割ぐらいを買うのかな。店主さんもかなり驚いているし。そして「はい」って金貨をポンっとだしてそのまま次に行こうとするし。お釣りはもらいましょうねー。それから今合計金額は金貨2枚分ですよ。なんで10枚くらい渡しているんですか


これ側から見れば世間知らずのお嬢様とその召し使いみたいに思われているんだろうな。シェミン先輩かわいいし僕はごく普通の顔立ちだし。


「お釣り・・・?あ、サリちゃんがいつももらってる」

「先輩買い物したことないんですね」

「ん?いつも・・・サリちゃんや・・・セレちゃんとしてるよ?」

「そうですか」


もしかして先輩にこういう常識を教えるために僕とセットで買い物に行かせたのだろうか。てか先輩どれだけ学校外に出て行かなかったというかこういうのと無縁の生活をしていたのだろう。先輩の過去がかなり気になってきたんだけど


「でも・・・男の人とは・・・初めて・・・だから・・・楽しい」

「!」

「?」


はあ、そんなこと言われると勘違いしてしまうじゃないですかもー。?なにを勘違いするんだ?最近自分で自分のことがわからなくなってきたな


「そ、それよりも、はやく揃えて、帰りましょう」

「うん・・・そうだね」


女の子と二人っきりってかなり緊張するんだな。そんなことを思えるくらいには僕も精神的に回復できたのかな

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