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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第4章契約
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攻略の条件

文月一週目水曜日


なんか僕が想像していたよりもかなり悪い状況みたいだ。クレアのことだから大丈夫だろうけど少し心配だなぁ。


「それでこれからどうするつもりですか?」

「できれば助けに行きたいですけど、少し厳しいです」

「?」


なにか事情があるのだろうか。普通に忙しいとかありえそうだけど。


「まあ生徒会の仕事はなんとでもしますよ。問題はそこではなくて、ダンジョンに入れるかわからないんです」

「?」


色々と聞きたいことがあるけどまずこの先輩さらったとんでもないこと言わなかった?後輩一人のために生徒会の仕事を投げる気でいるとか・・・いや大変ありがたいことだし立派なことだと思うんだけどそんなことして本当に大丈夫なのだろうか。


「問題をきちんと説明しましょう、まずダンジョンの恩恵の大きさは知っていますよね」

「はい・・・ああ、なるほど」


国の利権争いとかで面倒なのか。こういうときにまで人は欲に走るなんて・・・いや関係ないか。クレアと関わりのある人なんてほとんどい無い。国のお偉いさんの認識だとただの少年一人。そのためにダンジョンに入らせてくれって言われてもそりゃ首を縦にふるわけないよな


「だいたい合っています。まず、ダンジョン攻略については幾つか規定があります。まずは、初期攻略つまり出現してから一週間の間は各国から1パーティーずつのみしか入ることができません」


どの国もダンジョンの財宝が欲しい。でもそれを取り合って殺しあうのもそれはそれで本末転倒というか、忘れているかもしれないが今は特に魔王が出現するとか言われているし国同士で疲弊するもの避けたい。ゆえに人数を絞ることでチャンスを平等にすることができる。またそうすることでダンジョンに入ろうとする輩を弾くこともでき一石二鳥だ。ちなみに一週間と期間が設けられているのはずっと縛っていてもいつ攻略できるかわからないということと一週間あればだいたいは攻略することができるという理由からだ。まあ各国自分の国の威信をかけているわけだから当然それぞれのほぼ最強戦力を引っ張ってくるはずだしね


「ということはダンジョンの入り口には兵士がいるってことですか?」

「そうなりますね」


これがダンジョンにすぐに潜ることができない理由。決められていたからといって入ることはできるし潜ってしまえばこっちのものだ。でもそれすらできないとは、考えてみれば当たり前の話だけどね。


「他にも幾つかありますが、これだけ覚えておけば大丈夫でしょう」

「でもそうなると、クレアの扱いってどうなるんですか?いまあいつ中にいるんですよね?」

「その可能性が高いだけで他の可能性もありますけどね・・・まあ、見つかれば命がないとだけ言っておきます」


精霊が人を呼び寄せるなんて話ほとんどの人は知らないというか精霊と契約している人しか知りようがないからクレアがダンジョンにいるってことはつまり不法に侵入したと捉えられてしまいかねない。


「あれ?不味くないですか?」

「だからやばいんですよ」


ようやく事態の深刻さがわかりました。いや深刻具合といったほうがいいのかもしれない。あいつは無茶なことはしないだろうし安全に浅いところで待機するだろう。僕らがあいつを捜索することを信じて。さすがにこれくらいの信頼関係は築けているさ。でもそうなると生き残るためにいるところが問題になる。浅い階は安全であるがゆえに財宝があるかどうか厳しくチェックすることができる。隠れるにはかなり不利だ。見つかってしまうかもしれない。


「セリア先輩の転移は・・・」

「残念ながら無理です。特殊な結界が貼られているので正規の出入り口以外から入ることができません」


その唯一の例外が中にいる精霊が直接呼び寄せること。だから出入り口だけを見張るだけでなんとかなっておる。


「ど、どうするんですか」

「どうするも何も、やることは一つです」

「え?」

「本題に入りましょう。ミライ、あなたはいくつの法を破る覚悟がありますか?」

「・・・」


まさかだけどこの人たち、これからやろうとしていることって・・・


「ええ、正面突破です」

「ですよねー」


でも申し訳ないですけどこれは愚問ですよ。友人と法律どっちが大切かなんてわかりきっています


「何個でも、破ります」


クレアを助けるためにどれだけの国を敵に回そうが構わない


「それよりも先輩たちは大丈夫なんですか?」

「残念ですけど私たちができることは限られています」


当然だよな。僕と違って先輩たちはこの世界にきちんとした居場所がある。それを奪うことなんて僕にはできないしクレアだって望んでいないだろう。つまり、僕一人で突っ込むことになるわけか。


「魔法が使えないあなたに頼ることが正しいとはわかりません。あなたに死んでくれと命令するようなものですからね」

「わかっています・・死にはしませんよ。それに友人も大事ですが一番は自分です」

「ええ、そこはクレアもわかっているでしょう」


それでもできることがあるのならそれはそれでありがたい。悶々としなくて済むからね。精神的な問題なんてそれこそいますぐにでも克服すればいい・・・差別をしていいわけではないけど最悪、目の前のモンスターは人間じゃないんだって暗示をかけよう。『電気鎧(armor)第三形態(third)』にはおそらくだけど強力な自己催眠効果がある。かなり危険な方法だけど最後の手段として残しておこう。一度発動してしまえば楠の時みたいに強制的に止められない限り与えられた命令を繰り返し続ける。インプットすることは簡単だ『クレアを守れ』これでいけるはず。


「まあダンジョンに潜ること事だけは大丈夫ですよ。私たちが道を開きますので」

「え?」

「中にいたことがバレれば大問題ですが入り口の兵士を気絶させるくらいなら正体を隠したまま実行することができます」

「・・・」


やっぱりとんでもない人たちだった。一応見張りの兵士だってそれなりに手練れなはずなのに


「それでは急ですけど今日の夜に出発します」

「本当に急ですね。わかりました準備をします」

「お願いします」


はあ、これでまた学校を休むことになったな。いや今回やろうとしていることは犯罪まがいのことだし学校から追放されるんじゃないか?それなら出席とかなにも関係ないね!


「そういえば誰が参加するんですか?」

「そうですね。さすがに少しですが危険はあるのでシオンたち三年生には待機してもらっています。クレアが第七ギルドなので少し苦しいのですが」

「じゃあ4年生を中心にですか」

「はい、私とグレン、シェミン、セリアの5人で行きます。役割としては私が案内人でセリアが実行犯、グレンが保険ですね」

「案内?そういえばどこに出現したんですか?」

「私の故郷、『月』の国ミラリアです」

「そうなんですか!」


まじかよ。こんな偶然ってあるんだなそれならば案内人にぴったりだ。


「そういえばシェミン先輩は?」


一人だけ役割が与えられていないけどなんのために連れて行くんだろう。保険二人目とか?


「ああ、シェミンはミライの精神安定のためについてきてもらいます」

「そうなんですね!!」


ああ、もうやけくそだよ。確かにシェミン先輩がいてくれるとわかったから安心したけどさ。不安だったのが少しだけ和らいだけどさ!

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