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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第3章エルフの森
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相談

すみません、しばらく更新が難しいと思います

出来る限り頑張りますが

???


シェミン先輩に連れられて寮に戻る。にしても先輩よく僕の居場所がわかったな、正直かなり助かった・・・あ


「先輩、ありがとうございます」

「・・・うん」

「でもよく僕の居場所がわかりましたね」

「・・・探知・・・した」

「さすがです」


特定の人物を探すなんて芸当を当たり前のようにするなんてやっぱりすごいなぁ。僕もいつになったらそこまでの境地に達することができるのだろうか。・・・そもそも同じ道に進むとは限らないか


「・・・」


じっと見つめられる。見つめられるだけだっていうのにかなりの圧を感じるのはなぜだろうか。


「あの、ありがとうございます・・・それから」

「・・・魔法が、発動・・・しない?」

「そうです。先輩は、その、昔人を殺したっていいましたよね?」

「・・・うん」


聞いておきたいことがある。今のうちに聞いておかないときっと後悔する。そんな気がする


「どうやって・・・覚悟を決めたんですか?」

「・・・人を殺す?・・・・それとも」

「そちら側で生活する覚悟です、殺し、殺される」


もしかしたら微妙に違っているんかもしれない。でも僕は思うんだ。人を殺すことによって世界は一変する。それをどうやって受け入れることができたのか先輩からなにかアドバイスをもらえたらいいなって思う。


「・・・わたしの場合は・・・こうしないと・・・生きていけなかったから・・・」

「そうですか」


なんかとんでもない過去を除いた気がするんだけど。それなら仕方がない・・・?


「・・・みんな同じ・・・大体のことは・・・クレアくんから聞いた」

「クレアが」


ふせぎこみかけている僕を心配してシェミン先輩とかに全部話してくれていたのだろう。何度もなんども話したくないしこういった気遣いはとてもありがたい。


「気休め・・・だとわかりきったうえで・・・ミライくんは・・・クレアくんを・・・救った」

「それは、わかっています」

「うん・・・えっと・・・」

「ありがとうシェミン。ここからは私が話すわ」

「サリア先輩」


扉が開いたかと思ったらサリア先輩が顔を出した。あれ?今珍しく丁寧語じゃなかったよな。もしかして女子会とかだと普通の言葉遣いになるタイプなのだろうか


「ミライ、ごめんなさい。本当はシェミンが全部話したほうがいいんだけど、シェミンの精神状態を考えて私が話します」

「え?」

「あの子も色々と大変なの。だから嫌だろうけど私で我慢してください」

「嫌ではないですけど」


なんか最近みんなが含みをもたせてくるんだけど、なんなんだよ。


「ま、いいです。まず、ミライ。逃げてもいいです」

「え?」

「こうしないと潰れるんですよ。私も人を殺しました。でも、まだ夢に見ます。最初に殺した人のことを」

「先輩でも・・・」

「私はあなたとそこまで年が違いませんからね」


えっと、僕が17で先輩が19か。この学校満16歳から入学が認められるからそうなると、つまりシェミン先輩と僕は2歳差ってわけだね・・・ん?もしかしてクレアは年下なのか?


「シェミンはもう二十歳超えてますわ。ついでにクレアもあなたと同じですよ」

「そうなんですか?」


成人済みかぁ「少しはクレアのことを思い出しましょうよ・・・」だってクレアですし


「話が逸れました。とにかく、ミライ、人を殺すことはその人の生き方を覚悟を人生を全て背負うということです」

「・・・」

「人の命を奪うということはそういうことです」


僕にあの老人の残りの人生を背負うことができるのだろうか。あの人の望みってきっとエルフの里を守ることだよな。だから僕らを襲いかかったんだろうし


「そこまで深刻に考えないでください」

「でも、いま・・・」

「背負うと言いました。でも、そこで身動きが取れなくなることは寧ろ殺した人物を侮辱することになると私は考えています」


サリア先輩の顔は真剣そのものだ。きっと昔、同じように悩んだのだろうか。その時は一人だったのかな?それとも誰か・・例えばセリア先輩とか?


「私は、一人でした。でもその人の想いは今も生きている。だから私はまたそういう場面に出くわした時、私の生命が危うい時にまた他社の命を奪います」

「・・・」

「まあこの世界では比較的人を殺し殺されるのがそこまで珍しいことではありません。それにダンジョンとかで死んでしまうこともあります。ミライが生きてきた世界では違うのでしょうが」


少なくとも命の危険を意識することなんてなかった。学校で不審者情報が出たとしてもそうなんだって片付けてたぐらいだし、なんなら小学生のころなんてそんな人いないかな〜って怪しいところを探してた同級生がいたしね。


「平和なんですね」

「僕の国はですけど」


南米とかでは未だ紛争などがあるってよくニュースでやっているしどこかの国が核兵器を持ったとかでまた一悶着あったらしいし物騒なニュースなんざよく聞くからね


「国によって異なる。まあそれはこちらも同じですね」

「そうなんですか?」

「ええ、『風』の国では腐敗がやばいとよく聞きます・・・だから」

「だから?」

「今は関係ないですね」


?少し気になるけどそれよりももっと話を聞きたいな


「味方が死んだ時をイメージすればわかりやすいと思いますよ」

「それは、わかります」


親友が死んだ時にその想いを受け継いだ主人公が急成長して急激に強くなって仇を討つなんて展開結構多いからね。少年漫画の王道の一つだと思っているし。


「それを広げてみましょう」

「・・・」


まあ言いたいことはなんとなくわかるけど・・・でもなんか釈然としない。


「これは考え方の一つ。割り切り方の一つですからね」

「他にもあるんですか?」

「殺してしまった人の分まで生き抜いて自分の生き様を見せつける。それが殺した相手への最大限の敬意だと思っています」

「・・・」


人を殺した責任は自分が生き抜くことで果たす。それも確かに一つの考え方なのかもしれないな。


「それで?どうするのですか?」


サリア先輩が聞いてくる。なにを?とはもう聞き返さない。まだ覚悟はできていないけど・・それでも、


「僕にはやりたいことがあります」


何度だって思い出したい。僕がこの世界で生きる意味。したいことを。それをやり抜くために、僕は・・・必要とあれば人を殺そう。そして僕の目標を叶え、手向けとしよう


この考え方が正しいのかわからない。もしかしたら間違っているのかもしれない。クラスメートに知られたら罵られるかもしれない。他の人と違ってこの世界ではこの世界の人と関わりを持つことが多かったし考えがかわるのも仕方がない。


「うじうじ悩むのだけはやめます」


決めたから、それを守り続けよう。あ、でも聞いておかないといけないことがあるな


「そういえば魔法を使えなくなったんですけど・・・」

「体は正直ってやつね」

「それ表現がかなり卑猥なんですけど」

「間違えた心です」

「どっちでも変わりませんよ」


つまりはかなり深刻なんですね。どうしましょうか


「・・・人を殺したトラウマね。それを克服するためにはもう少し時間が必要ですね」

「わかりました」

「そんな顔をしないでください。私たちが出来る限りサポートしますから」


先輩たちのサポートが得られるっていうのならかなりありがたいな。

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