#99 ウワサ話をしよう
会議の翌日。宿屋の食堂で、ノスビーとカンキムが食事をしてる。
「あのウワサ知ってる? 隠しダンジョンがあるっていうの」
フォークでパスタをつつきながら、カンキムが尋ねた。
ちょうど混み合う時間帯で、周りのテーブルもザワザワしてるから、話が聞かれてる気配はない。
「そんなのがあるんですか?」
野菜サンドを片手に聞き返すノスビーに、カンキムはうなずく。
「開催前のイベント用に作った調整中のダンジョンが手違いで出現してるとか、一部の重課金冒険者専用のサービスだとか色々説はあるんだけど」
「すっげえうさんくさいにゃり。信じるも信じないもユー次第ってやつにゃりよ」
横から口を出してくるベリリアをグーパンチで黙らせて、続けるカンキム。
「どの説にも共通してるのが、そのダンジョンの一番奥に魔王がいるってウワサ」
「でも魔王って、倒されたんじゃないんですか?」
もちろんノスビーはスボラスに会ってるし、先のストーリーで復活するってネタバレもされてるんだけど、ここでは言わない。
「あたしも詳しくは知らないけど、聞いた話ではその魔王を倒したら、クルーにできるらしいっていう――」
カンキムの背後で、ローブ姿の魔法使いらしき冒険者がそっと席を立った。




