#8 モンスターに腹パンしよう
「遠慮はいらないにゃり、おねいたんが手取り足取り教えてあげるから、ボーイは天井のシミでも見てたらいいにゃり」
「うわあ!」
カウンターに押し倒された。
「にゃっふーん、なんかアタイもテンション上がってきたにゃり。まずは濃厚なベロチューから」
「いやー、助けてー!」
悲鳴をあげるノスビー。乙女かおまえは。
「いいかげんに――」
そこへこれまで様子を見てたモビィが、カウンターを乗り越えてベリリアに迫る。
「しなさーいっ!」
「グフッ」
渾身の右ストレートを腹に喰らって、元気よく吹っ飛ぶベリリア。
壁に叩きつけられて、そのまま床に落ちる。
「……死んだんじゃないですか?」
自分がひどい目に遭ってたのに、ベリリアを気遣うノスビー。
おまえはアレか、交通事故に巻きこまれても逆に謝っちゃうタイプか。
起き上がったベリリアは、口の端から血をたらしてボソッと一言。
「フッ、いいの持ってるにゃりね」
どうやら大丈夫っぽい。
「このように、キトンインプは全力で腹パンするとおとなしくなる性質があります」
「ほとんどの生き物はそうだと思いますけど……」
「それはさておき、ミッション達成です!」
聞いちゃいねえ。
「ミッション報酬の小さいパンです」
「うわ、ホントに小さい」
具体的にいうとイチゴぐらい。
「サイズは小さいですけど中身が詰まってますから、食べると口の中の水分を異様なほど持っていかれますよ?」
「……なお悪いじゃないですか」
もらって喜べないものを報酬として与えるのってどうなんだ。




