#57 報告をしよう 1
ダンジョンを出たノスビーたちが冒険者協会に戻ると、カンキムが待ってた。
「おかえりー。うちのバシャードは役に立った?」
尋ねてくるから、ノスビーも頭を下げる。
「はい。おかげさまで」
実際は初心者向けのダンジョンなんだから、クルーなんていなくても余裕でクリアできるんだけど、そこは人としての礼儀でそう答えておく。
「ずっとユーの悪口ばっかり言ってたにゃり」
「いきなり濡れ衣でやす!?」
人じゃないから礼儀も何も無視するベリリアの脳天に、ノスビーが本日2発目のかかと落とし。
「嘘ですから」
「まあ、そうだろうね」
白目をむいてぶっ倒れるベリリアを放置してノスビーが否定すると、カンキムもうなずく。
すでにベリリアの性格を把握してる様子。
「それではノスビーさん、ミッション『冒険に出よう』を達成です!」
モビィがファンファーレを鳴らす。
「で、次のミッションは『フレンド登録をしよう』……。もうしてますね」
またファンファーレを鳴らす。いちいちうっとうしい。
「というわけで、無事チュートリアルを終了しました! 報酬のあいさつ手帳とヘルプ、あと小さいパンです」
「またそのパンですか?」
せめて普通のパンにすればいいのに。
「一部の方には好評なんですよ。場所を取りませんから」
そんな雑談の後、カンキムはバシャードを連れて自分の冒険に出かける。
すると入れ替わるように、床に魔法陣が浮かんで運営が転送されてきた。




