#50 あいさつをしよう 3
「で、あたしがここに来た用だけど」
ケージwithベリリアが沈黙したのを確認してから、カンキムが切り出す。
「あいさつよ、あいさつ」
「あいさつ、ですか?」
「うん」
カンキムはうなずいて、「おはよーす」と繰り返す。
「お、おはようございます」
「よろしい。じゃあここにサインして」
ノスビーに差し出された手帳の表紙には『あいさつ手帳』と書いてある。
「フレンドに毎日1回ずつあいさつすると、人数分のお金がもらえるの」
サインしたのはいいけど、まだチュートリアルが終わってない彼はその手帳をもらってない。
「あなたはまだ手帳持ってないんだよね? じゃあついでにあたしが申告しといてあげる」
「ど、どうも」
そういえば昨夜も、彼女がモビィに何か申告してたのを思い出すノスビー。
「ちなみに、あいさつっていくらもらえるんですか?」
「1回で10イコン」
「安っ!」
10イコンは銅貨1枚分で、これだけじゃトマトも買えない。
「確かに多くはないけど、チリも積もれば山となるって言うじゃない? いっぱいフレンドを増やしたら、そこそこの額になるのよ」
「そりゃそうでしょうけど」
何人ものフレンドを毎日巡回する労力があったら、普通にダンジョンに行ったほうが稼げるんじゃないかってノスビーは思う。
「まあ、マリセラさんには『山になってもチリだ』って言われたけど」
ダメじゃん。




