#5 ガチャを回そう 2
そして、スイッチが入ったのと同じくらい唐突にモビィが正気に戻る。
「はっ! すみません、取り乱してしまって」
「い、いえ、大丈夫です。かなり驚きましたけど」
それは大丈夫とはいわない。
「話を戻しますね。えーと、牛丼とカツ丼どっちが豚肉かって話でしたっけ?」
「……そんな話はしてません」
仮にしてたとしても、明らかに牛丼は豚肉じゃない。
「思い出しました! 次のミッションです」
全然関係ない話をはさんで、ようやく本題に戻った。
「それでは今のマナで、さっそくガチャを回しましょう」
「ガチャ、ですか?」
「はい。ガチャというのは、マナを消費してこことは別の世界からモンスターやアイテムを召喚する儀式を、なんかこういい感じに簡略化したものです」
説明を聞いても、全然ピンときてないノスビー。まあ今の説明じゃ、ピンとくるワケないけど。
「結局、マナって何なんですか」
「それです」
「いや、そうなんですけど」
「見てわからなければ、説明を聞いてもわかりません。『百聞は一見にしかず』っていいますし」
「……」
そう言われて、改めて手に持ったマナを見る。
「まあ、いいです」
理解するのをあきらめた。もうちょっと粘れよ。




