#30 事務所に入ろう 2
「何にゃりか、この生きた修羅場は」
ベリリアの言うとおり、無数のモンスターがうごめく様子は、それ全体が巨大な生き物に見える。
その奥へ奥へと進んでくマリセラの背中は、まるで呑みこまれてる途中みたいだ。
「ノスビーさんたちも、ついてきてくださいね。はぐれたら、二度と見つけ出せないかもしれませんから」
モビィの発言がシャレになってねえ。ノスビーも慌ててふたりを追った。
「ていうかおまえ、いつまでくっついてるんだよ」
転送用の魔法陣に入ったときから、ベリリアはノスビーに抱えられたままで床に下りようとしない。
「こうしてると楽チンなのを発見したにゃり。ほれほれ、もっと飛ばすにゃりよ」
「……」
ノスビーは抱えたベリリアをそのまま後ろに投げ捨てたい衝動にかられたけど、そうしてる時間がない。
モンスターにぶつからないように気をつけながら、マリセラたちを追うのに専念した。
部屋の奥へ進めば進むほど、石板をいじるモンスターが減って、代わりに水晶玉をにらみながら何やら念を送ってるモンスターが増えてくる。どうやら奥と入口近くで、役割分担ができてる模様。
とはいえ、奥の空間もとっ散らかってるカオス状態に違いはない。むしろ掃除がされてないのか、不気味な気配は強まってる。
そしてとうとう一番奥、不気味の極みなゾーンへとたどり着く。




