#28 運営に会おう
そして終わってみれば、今回も成果ゼロ。
「これをまた売って――」
「ま、待ってください。ノスビーさんの件を報告しないと」
ワートが集めたアイテムをまた持って出ようとするマリセラを、モビィが制する。
よっぽど見てられなかったんだろう、さっきまでいやがってた運営への報告を、自分から申し出た。
「ノスビー? あ……」
そこで我に返ったマリセラ、憑き物が落ちたみたいに表情から殺気が消え失せる。
「……恥ずかしいところを見せてしまったな」
「アレが恥ずかしいって自覚してるのがせめてもの救いにゃりね」
余計なことを口走るベリリアを、ノスビーが掌底で黙らせる。確かにベリリアの言うとおりではあるんだけど。
「とにかく、行こう。魔法陣を用意してくれ」
「はいぃ」
モビィがカウンターから、丸めた布を持ってくる。
「今度は間違えてないにゃりね」
「大丈夫です。……うん、大丈夫ですっ」
「こいつ今、言ってから確認したにゃりよ」
こういうとこだけ妙に細かい。
「心配いらない。私も何度か見ている」
つまり、マリセラはこれまでにも何度か運営のとこへ行ってるってことだ。
「皆さん、入りましたね?」
大人ふたりと少年ひとりが収まるとさすがに狭い。ちなみにワートはマリセラの髪の中、ベリリアはノスビーが抱えてる。
「もっとギュッて触ってもいいにゃりよ」
「触らないよ」
「じゃあ揉んでもいいにゃり」
「どこをだよ」
どうしようもない会話を、モビィの詠唱が遮る。結局どこを揉むのかわからないまま、ノスビーは本日2回目の光に包まれた。




