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#26 ガチャを回そう(マリセラ編) 3
そしてあれだけ大量にあったマナはみるみる減りまくって、ついに最後の1回分まで使い切った。
「……」
ノスビーはレベル上限アガルーンの実物を見たことはないけど、今回ガチャで引いた中に1個もなかったのは、マリセラの表情を見ればわかる。
「え、えーと……」
どう声をかけていいやらわからなくてとまどうノスビーをよそに、マリセラはユラリと立ち上がる。
「ふ、案ずるな」
そう言って、ワートが集めたアイテムを受け取る。
「これを道具屋で売れば、またガチャを回せる」
「……」
生まれたてのゾンビみたいに虚ろな足取りで協会を後にするマリセラと、その後を追ってチョコチョコかけるワート。
カランコロンカラン♪と音を立ててドアが閉まってから、ノスビーは尋ねた。
「……いつもああなんですか?」
「ほぼ毎日なんですよう」
「なんつーか、バクチにハマった人間の末期みたいにゃりね」
「冒険者の間では、『廃課金の騎士』なんて呼ばれてるんです」
「廃課金……」
つぶやくノスビー。確かに食費までマナに費やしてガチャを回す姿を見たら、もっともだとしか言いようがない。




