17/119
#17 パンを食べよう
「さっきは見えなかったけど、きっとどこかケガしたんだよ! それなのに僕のことを心配してくれて――」
「おなかが、すいた……」
呼応するように、ぎゅるるるると腹の鳴る音。
「……」
「……」
お互いに気まずい。
「ボーイ、さっきあのクソ女にもらった小さいパンがあるにゃり」
「あっ、そうだ」
慌てて取り出したパンをマリセラに手渡す。
「僕はさっき船で食事しましたから、食べてください」
「アタイは食べてないにゃり」
余計なことを言うベリリアを裏拳で黙らせる。
「ニャゴッ」
「……すまない」
マリセラも変に遠慮とかしないで、素直にパンを受け取る。この素人集団を無事にダンジョンから出せるのは、自分しかいないって理解してるのだ。
「……」
モソモソとパンを食べるマリセラ。口の中の水分を持ってかれてるのが傍目にもわかる。
「あっ」
また何か思い出したノスビー、パンが入ってたカバンをまた漁りだす。
「これも食べてください」




