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#16 自己紹介をしよう 3
「だって、かわいいだろう」
「……え?」
自分の耳を疑うノスビー。屈強な女騎士の発言とは思えない。
「最初にひと目見た瞬間、私はこの子のかわいさに打たれてしまったんだ。この魅力を知ったら、もう別のモンスターをクルーにするなんて考えられない」
「は、はあ」
それまでの落ち着いた口調から一変して、熱く語りだすマリセラ。目がヤバい。
「……です」
聞き取れない小声でつぶやくワート。その表情から察するに、「恥ずかしいです」と言ったっぽい。
「ごほん。とにかく、ここに留まるのは危険だ。手違いについては後で運営に報告するとして、今はこのダンジョンを脱出しよう」
(運営……?)
我に返ったマリセラから、聞き慣れない言葉が出てきた。しかしノスビーが尋ねようとした直後。
「う……」
マリセラは腹を押さえて、突然その場にうずくまった。
「ど、どうしました? 大丈夫ですか?」
「落ち着くにゃり! 今すぐお湯を沸かして、ありったけのタオルを持ってくるにゃり!」
妊婦かよ。




