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  作者: 稲荷 狐
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プロローグ




俺は弱者だ。




生まれてから今まで友達と言うものができたことがない。なぜなら、俺はいじめられていたのだ。

小学校入学式前日、俺はインフルエンザにかかった。もともと気が強くなく、本ばかり読んでいた俺は、自分から声をかられず小学校生活はいわゆるぼっちだった。中学生になってもそれはかわらなかった。ああそうだ。一つだけ変わったことがある。その頃からいじめられるようになったんだった。いじめはひどくなる一方だった。耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐え抜いて。高校に入れば、この地獄は終わる。そう思いながら日々を耐えてきた。人間、ゴールが見えれば案外頑張れるものだ。

高校に入った俺は、なるべく目立た無いようにすごした。前みたいにいじめられるのはかんべんだったからだ。中学時代の奴らがどこの高校に行くのかも調べ、誰も行かない所を選んだ。その結果、家から電車で2時間半と言うかなり遠めの所になってしまった。家を借りて近くに住めばいい話なのだが、近くに味方がいないのはかなり怖いことだった。

ひそかに俺がいじめられていることを知っていた両親は、俺の提案を承諾してくれた。これで俺の不幸は終わる、そう思っていた。だがそれは間違いだった。

いじめられた時よりも、無視された時よりも、机に書かれた死ねよりも、重く、鋭く、その事実は俺の心をえぐった。


両親の死。


その事実は、俺に生きる意味をなくさせた。

事故死だった。父と母は、ドライブが好きでよくみんなで行っていた。その日もドライブをしていて、上から落ちてきた岩の下敷きになったそうだ。

その後一人暮らしをした。お金はおばさんが出してくれるとのことだった。俺は久しぶりに外に出た。13日ぶりだ。行くところは決まっていた、ホームセンターだ。適当に死ねそうな物を買った。

家に帰ったら死のうと思っていた。なのに、それなのに神は俺に手を差し伸べた。


「なんだよ、これ。」

目の前に現れた。突然現れた。それは、


《扉》


だった。

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