9/59
初雪の青い春（綾√）（１）
――小坂井綾はどうやらおせっかいな人間らしい。
私が小坂井綾の行動を眺めていて、抱いた感想はそれだった。
それ故に後輩には慕われていたが、一部の教師からは疎まれていた。
本人は私欲がほとんどなく、ただ『なんとなく』で頼まれたからやっているだけというのだから、彼女からしてみれば彼女を慕う熱意も彼女を嫌う害意も持て余すだろう。
そんな彼女と初雪が出会うのは、そう難しくなかった。
そもそも、私の介入さえいらなかったかもしれない。
彼女の弟――アキラと、今のぐれた初雪の行動が、ある程度重なっているのだから。
アキラの意思に引っ張られるようにして、彼女は初雪と出会った。
それをきっかけに、小坂井綾は――そしてアキラは、初雪と関係を持って行った。
