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はつゆきがつもるまで  作者: アーティ
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私の復讐の始まり

隔日で掲載していきます。

「アーティのブログ」ではすでに全編投稿済みですので、

もしも万が一、「待ちきれないっ!」と感じている方がいるのなら、そちらに行けばあります。


調べるときは、「はつゆきがつもるまで」で調べた方がよいかと思います。

病院の窓際から、私は窓の外を見ていた。

窓の外から見えないように、体を縮めて窓枠よりも低くして、ようやく私は窓の外を眺めることができる。

「…………」

そうして見える世界は、どうしても人とは違う部分を映し出す。


空しか見えない、この窓際からの世界の鑑賞は……とても鑑賞と言えるほど楽しくはなかった。

「仕方ないか」

そうつぶやいた私の口からは白い息が零れ落ちる。

「っ」

ふいに少しおかしくなった。……おかしいというよりも、不思議とか面白いとか、そんな感じ……でもなく、言葉にしにくいけれど、この胸にあるもやもやを一言でいうなら『憎らしい』が似合うかもしれない。

今と昔で、私は変わってしまったのに――白い息は変わらないんだと思うと、どうしてお前は変わらないのだと憎らしくなる。


「息が白いのは……変わらないんだ」

少し前――と言えるはずなのに、もう一生分の長さを感じるほどの少し前、私は変わった。……変わってしまった。


とても人前に出ることはかなわない。

私はもう一生お日様の下を歩けない。

私の顔は、以前とは違う。

あの事故……ううん、私は知ってる。あの襲撃の時に受けたこの傷は、私からお日様の下で生きる権利を奪っていった。


だから私は誓ったのだ――復讐を。

あの人の甘くもない誘いを――振り払うこともせずに。

「……『   』……くん」

ううん。今は初雪だった。

私はあの人の誘いに乗って、提案通りに彼を誘う……そのことで少しだけ申し訳なさもあるけれど、私の中の憎しみはそれらでは到底押しとどめられない。


……結局、やることを変えるつもりもないのに、私が勝手に自己嫌悪して……それで少しだけ、救われた気になって、また自己嫌悪。

そうやって悩むのは、決して私がいい人だからではなく、私が勝手に自分をいい人にしようとしているからで……そんなわけがないことを確かめて、やっぱり自己嫌悪。


――こうしたやり取りを冷たく積もらせていっても、変わらず復讐は少しずつ実っていくだろう。

心はひどく脆弱だ。だから、結局何も起こせない……わかりきっていたはずのそのことが、少しさみしかった。

「あ……雪……」

逸らさずにいた窓の外。

鈍色の空の上からちらちらと白い雪がこぼれている。

「……はつゆき」


今年最初の雪――だったと思う。ここ最近の記憶にはとんと自信がない。

どこかこの空のようにぼけた色彩で残っているのだ。これも、私の心の問題だろうけど。

「はつ、ゆき……」

私はかみしめるように、その言葉をもう一度口にしていた。

河野初雪――ゴーストチャイルド。


ううん。まだ、ゴーストチャイルドじゃない……私が、彼を、ゴーストチャイルドに……ゴーストの王様に、するんだ。

……私たちの、王様に。


単体でも読んで面白い、原作本編と合わせたらなお面白い!

という作品になれたらいいかなと思います。


この作品で原作の方にも興味を持っていただけたら幸いです。

拙いわたしよりも、プロの原作者のシナリオの方が「読ませる」作品でしょうしね!

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