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当日・午後1
昼食が終わり決勝が始まる。
理香は胸の鼓動が高まったままなので、
昼食もあまり喉に通らなかった。
まさか予選をトップで通過するとは思ってもなかったのだ。
当たり前だ。
まったくの素人で免許も取ったばかり、
多少バイクにハンデがあるとはいえトップはありえないだろうと思いながら気楽に走っていた。
「このまま勝てるのかしら」
どうしても頭によぎってしまう。
「そんなはずはない。相手は小さなころからレースをやっていた経験者と、子供のころからバイクをおもちゃ代わりとして遊んでいた、それこそ手足のようにバイクに乗れる2人だ」
勝ちたい欲求と勝てるんじゃないかという希望。
ベテラン二人に対する畏怖。
2つの感情が混じりあって、
理香の緊張は増していくばかりであった。




