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当日・午前5
淵野辺は楽しんでいた。
楽しくて仕方がないのだ。
普段は公道を走っている。
周りの車も対向車も気にしながら走っていることに多少はストレスを感じていたのだ。
いや、公道だって楽しい。
荒れた路面。
歪んだRのコーナー。
そして、気のいいライダーたち。
公道はサーキットより楽しいと思っていた。
ちょっと、認識を変えないといけないと思った。
平らな路面。
整ったコーナー。
そして、自分一人だけのコース。
周りを気にせずにNSRを走らせる。
初めての経験だった。
初めてNSRの声が聞こえた気がした。
淵野辺は喜びに打ちひしがれていた。




