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ライディング!  作者: hungry
2/30

登校

 朝7時30分。


 理香は、昨晩は興奮して眠れなかった。

 1年間バイトに励み、お年玉を全部つぎ込んで買った、「FUJISAWA」製「中型」魔法の箒。


 決して速い箒ではない。


 加速は出だしが悪くノロノロとしているし、減速も良いとは言えず、始めは「アレッ」と思うほど効かず、ワンテンポ遅れて効いてくる。コーナーワークだけは路面を掴む感覚が良く官能的だ。


 これが春休み中に乗り込み理香が得た箒の印象だった。


 理香は朝食を済ませ、制服に着替え、教材とかの準備も終わらせた。 


 「行ってきまーーす!」


 玄関で元気な声で言い、手にカバンと箒とヘルメットを持って家をでた。

 玄関先の壁に箒を立てかけてからエンジンを掛けると、「シュロロロ」と小さな音でアイドリングを始めた。理香はその間に、ヘルメットと手袋をつけ、カバンを背中に背負った。制服はスカートにしたので、下にはストッキングを履いてきた。


 軽く屈伸と柔軟運動をし、箒にまたがり鐙に足を掛けた。

 

 箒の先端から画像が出て、エネルギーゲージとスピードメーターが表示される。

 

 足が20cmくらいフワッと浮く。

 

 理香は右手のアクセルをゆっくりと捻り、家の門を出てから、体を傾けて曲がり路地に出た。

 路地を走り、国道にに出ると、アクセルを大きく開けた。ゲージ表示が一気に上がり、メーターの数字が大きくなっていく。60kmまでノロノロと加速し、そのまま車の流れにのった。ノロノロと言っても車の加速よりは早い。他の箒やバイクと比べると遅いだけだ。


 理香は「虎口峠」の道路標識を見つけ、その信号を左折した。

 


 

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