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当日・午前2
「お前、それ、もしかしたら80ccなのか?」
思わず八王子は声が大きくなった。
「ん?そうだけど。」
「50じゃなかったのか。」
「特に訊かれなかったけど?」
確かに八王子は確認した記憶がない。
「・・・そうか。とにかく馬力計るぞ。そこの計器に乗せろ。」
「おう。目ん玉飛び出ないように押さえてろよ。」
「たいした自信だな。たしかに80なのは俺もおどろいたぞ。」
八王子はシャシ台を引っ張ってきた。
「このローラー部分に後輪を乗せろ。」
「おうっ」
淵野辺はバイクを押しながらシャシ台に載せ、アクセルを吹かした。
パアァァァンと軽い音を響かせながら、
チャンバーから煙をモクモクと出てくる。
また甘い香りが漂う。
画面に「12ps」と表示された。