自動車部 5
「なんで私が?レース用箒なんて持っていないし、なにより未経験ですよ。」
理香が反論する。
それに八王子が答える。
「道具一式は、橋本先生がレースをやっていたから、それを借りよう。ついでにサーキットの走り方も教えてもらえるように頼んでみよう。」
「橋本先生に悪いですよ。なんで私がレースしなければならない答になっていないですし。」
「お前、今朝の件で輪に文句を言うつもりだったのだろう。どうせなら、レースで勝ったほうがスッキリするだろう。」
「それはそうかもしれませんが・・・だから私は未経験ですって。」
「実はサーキットの許可が下りるまで一ヶ月かかる。その間練習すればなんとかなるはずだ。それにサーキットを走れば格段に腕がつくぞ。」
「・・・・。考えさせてください。」
「ゆっくり考えろ。けど、早いほうが練習時間多く取れるからな。」
「はい。わかりました。」
八王子は輪に顔を向け、
「お前は練習はどうするんだ?」
「テキトーにやるから大丈夫だよ。しかし、素人が混じったら危ないよ。」
「そこはまかせろ。俺も橋本先生もプロだからな。」
「言うね。期待してるよ。」
部員がニヤついた顔で言う。
「へっへっへっ、話しかける良い理由できましたね、先生。」
「何のことだ。別に橋本先生に興味なんぞないぞ。」
と、テレながら反論していた。
輪が今の話を聞いて思い出したように言った。
「お前、今朝の箒の女か。どうだ、なかなか良い追い抜きだったろ。」
自慢げに話だした。