2話 軽い漫才・・・かな?
学校が終わって僕の家へ向かう途中。
もちろんお昼は野菜ラーメン(ホントはとんこつラーメンにしたかったのに・・・)
まぁ、莉那の言うとおり野菜をとってないのは確かだししゃーないか。
「アンタはウチが言わないと野菜なんか食べないでしょうが」
「食わなくても十四年生きてこれたから」
「反抗しないの!」
「くっ・・・!」
正論を言ってるだけに反論しにくい・・・。
「だから、莉那がケンの家に住めば良いんだって!・・・料理も作ってもらえばいいさ」
「そうだよ!ケンくん私達が迎えに行かないと遅刻ギリギリなんだし!・・・ついでに料理もしてもらうといいよ」
「お前らさ、僕を犠牲にこいつの料理をどうにかしようとしてるよな!?」
「どういう意味よ!まぁいいけど。今日ラーメン作って「ケン!俺用事を思い出した!」「わ、私も!」
「あっ、そういえば僕の家昨日から莉那が入れない結界張ったんだった!」・・・すねてやる」
あっ、危なかった・・・。こいつの料理なんか食ったらいくら治癒のプロの美奈がいても命の危機に関わる。
そんないつもどおりの会話。だけど、そのおかげで僕の家への距離は短く感じるなぁ。
「「「お邪魔しまーす!!!」」」
そう言って蘭樹と莉那は靴を並べずにあがりこむが、その横で美奈はキッチリ三人分靴をそろえてくれる。
「蘭樹、莉那!美奈だけにやらせるな!」
まぁ、靴なんてホントはそろってなくてもいいんだけど。一人暮らしだし。
「まったく、じゃあ僕はラーメン作ってるからそこらへんのゲーム勝手に使ってあそ・・・言うまでもないか」
蘭樹はTVゲームの対戦ゲームを起動させて、美奈はそのゲームのコントローラーを握っていた。美奈動くの速いなぁ・・・。まぁ、それはいいとして
「お前ら、ラーメン出来たら終われよ!」
そんな僕の言葉は二人には聞こえていないようで、もうすでに白熱した戦いを繰り広げていた。
そんで、いつものように莉那が二人の邪魔を・・・ってあれ?
「莉那がいない?」
いつもなら二人の邪魔して楽しんでる奴がドコにも見当たらない。
「トイレかなぁ?でも、それなら一声かけるはずだし・・・」
「あぁ!コレ駅前のアイス屋さんで一日限定二十個しか売らない『ゴールドバニラ』だぁ!コレ食べたかったんだよねぇ♪しかも四つもある!」
・・・その声は僕が必死にこいつらに隠してた大事なアイスの保管場所――――冷凍庫の前から聞こえた。
「り、莉那いつの間にそこに・・・?」
「えっ?だって、アイス食べたかったから何かないかなぁって思って探してたから」
「答えになってないからね!」
「ねっコレ食べていいよね!?四つもあるんだしさ!」
「聞いてる!?僕の話!」
ま、マイペースにも程がある・・・。
「だいたい、それは僕が今日の朝必死に並んで買ってきたんだよ!何で勝手に食べる気でいるの!」
「えっ・・・今日の朝・・・?」
「ケン今日の朝俺らが起こしに来るまで寝てなかったっけ・・・?」
「アンタ、しかもぐっすり寝てたよね・・・?」
・・・やってしまった。アイス買って来たら眠くなって三人に起こしてもらえるからいいやと思ってまたぐっすり寝てしまったのがバレかけている!しかもタイミングの悪いことに蘭樹と美奈のゲームも一段落したところでの失言!
「私達そのせいで今日遅刻ギリギリで大変だったよね?」
「そ、そうだね。ほ、ほんとに感謝してるよ!」
「お前、俺の予習ノートも見せてやったよな?」
「う、うん。昨日やり忘れちゃって・・・」
朝早くからしか並んじゃダメなんだもんあの店。
「アンタが授業中寝そうだったから何度もシャーペンで刺してあげたよね?」
「た、確かにアレはたす・・・あの痛みはお前がやってたのか!!」
どうりで右半身のいたるところがチクチクしたわけだ。
「問答無用!このアイス三つもらってくからね!さぁ、皆でラーメンできるまで食べて待ってよっか」
「「さーんせーい」」
「ちょ、まっ・・・アイスってのは食後に食べるのがおいしいんだぞ!」
なんとかごまかして食後までに隠さなくては・・・!
「あっ、それもそっか」
ナイス!美奈!
「じゃあ、私が創造でクーラーボックス出してあげるよ!」
「なぜに!?」
「だって、ケンくん隠すんだもん!」
「・・・ソンナコトアリマセン」
「待てよ二人とも」
「蘭・・・樹?」
ま、まさか蘭樹が助け舟を!?お前意外とやさ「三つ今食べて、残り一つをデザートにすればいいだろ!」しくねぇ!
「おぉ!蘭樹君すごーい!」
「そうしよっか。ウチらも流石にラーメン食べた後じゃ全部食べきれないかもしれないし」
「ちょ、ちょっと待てよ!僕の分は!?」
「食後に四人で食べるじゃない」
「僕、四分の一!?」
この後僕の猛抗議があったが聞き入れてはもらえなかった・・・。
食事が終わりアイスも皆で食べ(もちろん僕は四分の一だけ)リラックスをしていると、僕の携帯電話が
鳴り出した。
「はい、もしもし~?」
『気の抜けた声だな。せっかく仕事を依頼してやるのに』
僕たちの仕事・・・夜の仕事内容についてだったのが分かった僕は電話をスピーカー状態にして机の上においた。
展開が早くてすみません・・・。
あと、魔術の詳しい説明は今度別枠で出しますからそこまではなんとなくな感じでお願いします!