寝ている その7
「あ、そうだ!」
「田中のおっちゃん! ちょっと、声がでかいです!!」
「いやなあ、英瑠璃ちゃんのファンの中に、集団催眠術者がいたんだよ」
「しゅ、集団催眠術者? って、ことは?! ここら辺のテロリスト集団を、なんとかしちゃって」
「全員無事に、避難させられるはずなんだ!!」
俺たちがいるホール入り口付近から、広大なここホール内か会場内で、どうにか英瑠璃ちゃんとその推し活たちを探さないといけなくなった。
「You guys... are too suspicious.」
(お前たち……怪し過ぎるぞ)
けれども、俺と田中のおっちゃんで、作戦を練っていると、いきなり客席から声が上がった。見ると、ロケットランチャーを携えた二人組に気がつかれていた。
「ふははははは! こうなりゃ!」
俺は最速、最善、最高を目指して、全異能力をスピードへ使った。走り出すと、そのまま、ここから離れた敵の一人の懐へと入っていた。
「お昼寝しろ!!」
俺はテロリスト二人組の一人の首筋に手刀を浴びせると、テロリスト二人組の一人は昏倒した。
「Hmm! Are you a person with special abilities? !」
(むっ! 異能力者か?!)
だが、もう一人が、俺の目の前で、姿を忽然と消した。
「や、やばい! ひょっとして、逃げちゃった? ステージの方へ?」