寝ている その6
巨大なホールには、テロリスト集団がざっと20人以上はいる。観客席は空っぽで、座らされている人たちは、皆銃口をこめかみに当てられている。
観客席にいたはずの人たちは、特大ステージの周囲をぐるっと、両手を頭に載せて跪いている。
観客数は1000人を軽く超えるんじゃないかな?
そんな中で、俺たちは薄暗いホール入り口で、これからどうしようかと考えていた。
「なんて……人の数だよ」
「ああ……同感だよ。この人たちは、みんなテロリスト集団の人質なんだ」
「おじさんは、どうやって、ここから出たんだ?」
「ああ……じゃない。ふん! トイレへ行くと言ったんだ」
「……やっぱそうだよな。定番だよな。こういう時の」
テロリスト集団の二人組が広大なホールを、ぐるりと見回りをしていた。
肩には、ロケットランチャー?? がある?!
「うい! あの二人組からすると、事が済んだら皆殺ししようとか……」
「ありうるな。まったく……あ! ふん! 人の命をなんだと思っているのか」
「アイドルグループが心配になってきたぞ」
「俺も利弧利戸ちゃんが心配になってきたぞ」
でも、どうやって……。
おれとおじさんは、お互い顔を見合わせて俯いた。
でも、俺のステータス強化の異能の力も戻ってきた。
休憩すればまた使えるんだ。
三分だけど、有効に使わないとな。