尽神日記~3月2日~
3月2日、晴れ。
お返し。
魔族の人がそう言ったからといって、お返しが『魂』と決まったわけじゃない。
そうだ。
そうなのだ。
だって相手は『魔族』じゃないか!
『悪魔』ではないんだ!!
それに、僕は確かに『彼女』からチョコをもらったけど、あれは『贈り物』。
取引じゃないのさ!
言ってみれば一方的に目を付けられた選ばれし者なだけなんだ!
運悪く魔族女子の戯れに行き当たってしまった、ただの子羊さ!!
魂までは取られないだろう!
まあ、いいとこ魔界に連れて行かれて奴隷になるのが関の山さ。
あははははは!!
昨日は少しだけ取り乱してしまったが、今の僕は非常に落ち着いている。
頭の回転もバッチリさ!
そう、僕の人間界での寿命はまだ13日あるではないか!
13日あれば・・・
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「何もできないだろオオオオオオオオオオオオ!!」
尽神月流は昨日に引き続いて、取り乱していた。
「あと13日したら現世とセイ・グッパイ!!・・・・・なんて嫌だアアアアアアアア!!!」
叫ぶだけ叫び、倒れ伏す尽神月流。
「どうすればいい」
呟いてゆっくりと身を起こす。
畳についた両手と身体をつなぐ両腕はカタカタと震えていた。
「なんとかしなければ・・・」
尽神月流の目に闘志の光が宿った。
「打開策を考えるんだ!尽神月流!!」
†To be continued.†
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words.
魔族女子(|まぞくじょし)尽神月流の造語。『彼女』のこと。