尽神日記~3月15日~
3月15日、深夜。
「読むなああああああああ!!!」
尽神月流は真夜中の自室で激しく悶え苦しんでいた。
なぜか。
WHY?
ANSWER.
日記を読み返したのである。
(日記は自分しか読まないけど!!)
恥ずかしい!
恥ずかしすぎる!!
取り消したい!
いますぐ取り消したい!!
非現実を忘れるために、現実を再び見据えようと、尽神月流は前の日記を読み返した。
今まであったことは全て夢物語。
全てを無に帰すため、
昨日のあっけない結末を自分に思い知らせるため、
ページを開いた。
効果は予想以上だった。
自分は予想以上に思い詰め、なんだか別世界の住人と化していた。
まるで主人公だ。
主役だ!!
ヒーローだ!!!
今となっては思い込みの激しい男子でしかないのに!!
「くッ・・・」
しかし取り消すことはできない。
なぜなら。
BECAUSE,
十年日記だから。
しかも中学入学と同時に始めたので、もう5年も書いてしまっている!
(しかもペンだ!!)
消しゴムで消すことすらできない!
それに破くなんてもったいなくてできない!!
何せ5年も書き込んだのだから!!!
(負けない!)
「僕は負けない!!!」
非現実から現実に。
夢から現に戻る。
尽神月流は昨日までの自分にピリオドを打つため、そして3月14日の日記を終わらせるべく、力強く書き込んだ。
『尽神月流の冒険は、まだ終わらない。』
『尽神月流の戦いはこれからだ!』
と。
こうして、尽神月流14日間の戦いは、終結したのであった。
†The End.†




