表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
尽神日記  作者: るーく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/17

尽神日記~3月10日~

3月10日、晴れのち曇り。


カレンダーの数字がとうとう二ケタになった。

あと4日もすれば運命の日がやってくる。

僕は、最後の審判を受ける。


なんだか実感がわかない。


人は天に召されて後、審判を受けるのだとずっと思っていた。

審判を下すのははもちろん神様だ。


まさか生きているうちに、しかも魔族の美少女に、最後の審判を受けるなんて誰が予想しただろう。


そう、僕は生きている。


ゆえに考える。


現在と、未来を。


『彼女』が僕のお返しをお返しとして認めた場合、僕はこのまま普通の高校生として暮らすことができる。

けれど、『彼女』の望むお返しがはなから物じゃなかった場合、僕はきっと魔界行き。魔界で先も知れない暮らしをすることになるんだろう。


僕の思考は行ったり来たりを繰り返す。

考えたって、どうしようもないことばかりなのに・・・。


でも、考えてしまう。


非現実的だと思っていたことが、現実として僕に降りかかっているから。



現実と、非現実。



たとえ相手が魔族だとしても、普通のホワイトデーと考えていることだってある。


僕は、無事に済むことを切に望んでいる。


けれど望みながら、なぜか、『後者』に思いを馳せている。



もし、魔界へ行くことになったなら。



もしも連れて行かれたら、僕はどうなってしまうんだろう。



僕は僕のままでいられるんだろうか。



『彼女』のしもべになるんだろうか。



『彼女』の側で?



僕は



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


尽神月流は器用な手つきで装飾を縫い付けている。


時計は夜中の12時を回った。


あまり遅くまで起きているとおばあさまが心配するので、テーブルランプで作業している。

尽神一号機での作業は大方終わり、残るは細かな手作業だけだ。


白熱灯の暖かな光が赤いハートの飾りを照らす。


キラキラと輝く綺麗なハート。


それを見る尽神月流の表情はいつになく穏やかだった。


もうすぐ出来上がる。


『彼女』は、喜んでくれるだろうか。


「今日はここまでにしておくかな」



いつものように布地を行李におさめる。



『彼女』の望みがこれじゃなくても・・・



たとえ魔界に連れて行かれたとしても、



僕は・・・・・



†To be continued.†

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ