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10.問題だらけのデビュタント

まぁ、こうなりますよね……。


誰に、『頑張れ〜!』と声援を送って良いか、分かりません

ああぁぁぁ………。一体どうすれば………。


仕事中だというのに、深く深ーく溜め息を落とす。

ダメよ、こんなんじゃ仕事に支障が出るわ!


フンスっと顔を上げると、こちらをじっと見つめるダヤンと目が合った。


「どーしたの、リザちゃん」


首を傾げて尋ねてくる。

ううう………ダヤンに言っても、何も解決しないのは分かってます!

でも誰かに愚痴りたい……。


「ダヤン〜…………」


へにょりと眉が歪む。


「うわわっ!ち……ちょっと待って!待って、リザちゃん!温かいお茶淹れてあげるから!」


私の情けない様子に、ダヤンはビックリしたのか慌てて『ステイ!』とばかりに掌を突き出してくる。


「うん……」


優しいダヤンがお茶を準備してくれる間に、研究用の机からソファへと移る。


「はい、どうぞ」

フワリとリラックス効果のある紅茶の香が鼻腔を擽る。


ゆっくりお茶を楽しむ私が、ある程度落ち着いたのを見計らってダヤンは切り出してきた。


「で、どうしたの?」


やっぱりダヤンは素敵な頼れる『兄』ね!


「うん、ほら私も無事に成長したでしょう?」


「そうだね、めっちゃ女神にバージョンアップしたよね!」


バージョンアップ?ナニ、ソレ?


「それで父様が今年デビュタントをしようって言い始めてて」


「……………」


流石に呆れたのか、ダヤンも目を見開いて無言だわ。

沈黙がイタイ……。


「私が16歳のご令嬢達に混じってデビュタントなんて、イタすぎると思わない?」


「あ――――――……。ギルバート様は何て?」


「ギルバート様?勿論、大反対で父様に抗議していたわ。でも、父様が『じゃエスコートは父様が!』って言い出してから、何故か大人しくなってしまって」


「……だろうね」


「私は20歳になったのよ?イイ年の私が若作りして、うら若いご令嬢に混じるなんて………」


「……………ん?」


「え?」


イマイチ反応が薄かったダヤンが、ピクリと肩を揺らして顔を上げる。

そしてマジマジと私を眺めてきた。


「……イイ歳?若作り……??」


「だってそうでしょう?16から22歳が結婚適齢期なんだもの。私ももう微妙な年齢よ?なのに今更デビュタントって言われても……」


きちんと客観的に見てるんですよ、私だって。


「多分さ、」


ダヤンはちょっと考えて、言葉を選びつつ私の愚痴に意見してきた。


「ギルバート様は今更デビュタントが恥ずかしいからって反対した訳じゃないよ。

ってか、俺もサウザリー侯爵様の意向でなければ、デビュタントは反対してたと思うし、多分理由はギルバート様と同じだと思う」


「ええっと?」


「でもギルバート様か何と言おうと侯爵様がリザちゃんをデビュタントさせるなら、そりゃ全力だすよねあのヒトも」


「全力って……?」


「全力で頑張った力作を、他の男に…例え父親でも譲りたくはないよなぁ」


「はい?」


「まあ、リザちゃん。諦めて?皆きっとスゴク楽しみにしてるだろうからさ!」


むむ?愚痴っていた筈が、何故か諭されてるわ?

何故かしら!?

ダヤンの発言の、特に後半はよく意味が分からなかたけど、父様はやるって言ったら絶対実行する人だもの。


ダヤンの言うとおり、諦めましょう。

1日。

1日だけ我慢すれば良いのだから…………。


♢◆♢◆♢◆♢◆♢◆♢◆♢◆♢◆♢◆♢◆♢◆


デビュタントの準備は―――――………。

私は全く関与できませんでした。あれ、私のデビューよね?


だけど父様もセオも、そしてギルバートも、「自分たちが!!」と強くデビュタントの準備を申し出てきたから、諦めついでに丸投げする事にしたの。


私がデビュタントに向けてした事と言えば、仕事量を調整した事。そしてデビュタントの舞踏会7日前から、お肌を整えるためにたっぷり睡眠を取ったくらい?


今日のお天気は私の気持ちとは裏腹に快晴。私は鬱々とした気分でデビュタントの当日を迎えた。


今日だけの我慢、今日だけの我慢……。


心頭滅却すれば火もまた涼し…涼しく……涼しくなれば……。




無理―――――――っ!!


え?えっ?!

世の中のお嬢様達は、毎回舞踏会の度にこの苦行に耐えてるの!?スゴくない??


夜からの舞踏会なのに、朝一番から準備に追われた。

湯浴みして、全身のマッサージ。派手なモノを好まない私向きの、でも華やかなネイルを施し爪先を飾る。

丁寧に髪を(くしげす)り、複雑に編み込み。


少しの休憩の後、ドレスアップ。ただ袖を通すだけではなくて、身に着けた後は側腹部のリボンをあちらに通し、あちらのリボンは捻って背後に回す。


このデザインを考えた人って、多分『素直な』って形容動詞の反対くらいの場所にある性格の方だと思うわ。


侍女が気合を入れて頑張ってくれたお陰で、何とか準備は整ったのだけど。


鏡に映る出来上がった自分の姿を見て、再び気鬱の波が襲ってきた。

いえ、出来栄えで言えば、これ以上にない位に素敵に仕上げて貰ったし言うことナシ!


でも今年がデビュタントのご令嬢達のオマケで参加する私が、ここまで頑張る必要があたのかどうか………。


いえ。腐っても私は侯爵家令嬢。

デビュタントは、まぁ家のために必要な通過儀礼よ、うん。


そうやって自分を鼓舞していると、コンコンコンと扉のノック音が響いた。


「シュナリザー様。サウザリー公爵家ご令息がお見えになりました」


「分かりました」


落ち込み過ぎて、時間を忘れてた。

慌てて玄関に向かうべく立ち上がる。すると扉が開き、眩しいばかりに麗しいギルバート様が入ってきた。


うっわ――――………。潰れる。

直視すると麗し過ぎて目が潰れるし、その魅力に心臓も鷲掴みにされて潰れるし、何よりギルバート様の輝きに私の存在感も潰れる………。


そんな私の動揺に気付く事なく、ギルバート様は優しく私の手を取りそっと指先に口付ける。


「シュナ……私の女神。なんて美しいんだ。君の前では美の女神の姿も霞んでしまうだろう」


トロリと甘やかな光を宿す青い瞳。眩しいものを見るかのように目を細め、ギルバート様はうっとりと囁いた。


「……ありがとうございます。ギルバート様もとても素敵ですわ」


あら、ギルバート様ってこんな美辞麗句をサラリと述べるような性格だったかしら?

首を捻りつつ、麗しきギルバート様のご尊顔を見つめ続ける事ができずに、赤くなりつつそっと視線を外す。


「はぁ。本当は舞踏会なんて連れて行きたくないんだ」


その時。

ポソリ、と小さく呟く声を拾う。


あ〜………そうですよねぇ。

小さな悲しみがチクリと胸を刺すけど、嫌な顔をせずにエスコートを引き受けてくれたギルバートには申し訳なく思うし、感謝しかない。


20歳でのデビュタントが父様のエスコートなら、更に居たたまれないもの。


胸の痛みを抑え込み、ギルバート様と共に王城へと向かった。


《サウザリー公爵家ご令息ギルバート・サウザリー様、カルレイ侯爵家ご令嬢シュナウザー・カルレイ様、ご入場!》


朗々と響く声の後、ギルバート様のエスコートを受けて舞踏会の会場にゆっくり足を踏み入れた。


し―――――………ん、と会場が静まり返る。


え、何で!?


内心は動揺しまくり冷や汗流しまくりだったけど、いつ役に立つのかサッパリ分からない!と悪態つきながら学んだ淑女教育が、イイ仕事してくれて。

表面上はにこやかな微笑みを浮かべて、真っ直ぐ国王陛下の元へ進んだ。


ここで陛下に言祝ぎを頂けば、形式上デビュタントは完了する。あとは適当に挨拶まわりをすれば良いのだから、いつ帰宅しても構わない。


足を止める。

ギルバート様は右手を胸に当て、私はカーテシーをとり、揃ってご挨拶申し上げた。


「カルレイ侯爵家令嬢シュナリザー嬢、今宵は特に美しいな。色々と大変だったろうが、今宵この時にデビュタントを迎えた事を喜ばしく思う。」


「過分なお言葉、ありがとうございます」


「ギルバートなどは、今日のデビュタントに随分ゴネただろうな。何にせよ、言祝ぐべきめでたい日だ。2人仲良くな」


クツクツと誂う様に笑むと、陛下は祝の言葉を贈って下さり、無事にデビュタントは完了した。


それまで静寂に包まれていた会場は、一気に舞踏会の華やかさ騒がしさを取り戻し、人々はザワザワと笑いさざめく。


御前を辞し、人々がさざめく場へと足を向ける。

ギルバート様も私も高位貴族だから、通常ならば此方から声をかけなければ引き留められることは無い。


しかしデビュタントでは交流を図る事が目的だから、その通例は効かない。


引っ切り無しにかけられる声に笑顔で答えつつ、チラリと隣のギルバート様に目を向ける。

最近は柔らかい表情が多くなったけど、今日は何ていうか少し殺気立ってる気がするわ。


「ギルバート、ちょっといいか?」


ふと声がかかる。ギルバート様は眉間に皺を寄せた。


「セルファン?今は婚約者のデビュタント中だ。急ぎなのか?」


不機嫌な顔に、私は慌てて声をかける。


「ギルバート様、私はここで他の方々にご挨拶しています。お話をどうぞ?」


「……っシュナ!」


「カルレイ侯爵令嬢、助かる。さ、ギルバート」


ビックリした表情のギルバート様の腕を取り、セルファン様はバルコニーの方へ足を進めていく。


それを見送って、改めて会場へ目を向けると………。

いつの間にか目の前に沢山の人が詰め掛けていたわ。


あら嫌だ!本当にいつの間に!


「まぁ!何て素敵なんでしょう!カルレイ様、デビューおめでとうございます。わたくし、ザバウス侯爵家のレイチェルですわ」


「私はチリウリー伯爵家の者です。どうぞお見知りおき下さいませ。それよりも本日のドレスの素晴らしいこと!」


口々に称賛と挨拶の言葉を乗せる。5つある侯爵家の筆頭がカルレイ家。流石に皆様対応には十分気を使って下さるわね。


……すると。


「まぁ。折角の初々しくも可愛らしい1()6()()()皆様に混じるなんて。今年が主役のご令嬢達に申し訳ないとは思わないのかしら」


これ見よがしの態度、あからさまな発言に再び周囲が水を打ったように静まり返る。


この方、確か再三ギルバート様との婚約破棄を求めて詰め寄ってきていた………


「グレイトリー嬢、その発言は看過できないな。カルレイ嬢が今まで大変苦労してきた事、今までの彼女の功績を知らない訳ではないだろう?」


そうそう、キャサリーヌ・グレイトリー侯爵家令嬢だわ。

同じ侯爵家令嬢といえ、私は筆頭侯爵家、あちらは下位の侯爵家。私としては否定する要素が全くない発言内容なんだけど、周りはそうは思わなかったみたい。


目の色を変えてグレイトリー嬢を睨んでいる。彼女は当然周囲の賛同を得られると思っていたのか、僅かに鼻白む様子が見られたけど。


ツン!と顎を反らし、


「それが何か?何らかの功績を残せば、他者を蔑ろにしていいと?」


「そんな事は言っていないだろう。ただ彼女も一貴族令嬢としてデビュタントに参加する資格があり、権利があるんだ。それを他の者が詰って良いなんて、あるはずがない!」


さっきから擁護しているような発言をしている彼は誰かしら?

全く社交してこなかったから分からないわ。

でも『貴方、どなた?』って聞ける雰囲気じゃないわね。

それに………。

何故かしら。何か質の悪い三文芝居を魅せられている気がして………。


私も長らく幼女姿だたけど、ちゃんと働いていたし、

海千山千の狸爺………あら、失礼!顧客もきちんとあしらってきたのだから、彼女レベルの小者の対応はできるわ。


まぁ余りにも質が悪い客はウチの魔術団(ヘンタイさん)が対応してくれたけどね。


「全く話にならない!シュナリザー嬢、あちらにいきましょう!」


言葉も荒く吐き捨てると、彼はグイッと私の肩を抱き寄せその場を離れようとした。


んんん?いつの間にか家名ではなく名前で呼んでるし、未婚女性の身体に許可なく触れるなんてダメじゃない?


思わず、じっと彼を見つめる。

すると彼はみるみる赤くなり、うっとりと私を眺めはじめた。


「あああ、運命の神に感謝を!今宵、類稀なる美姫と共に在れるこ………ぐぇっ!」


滔々(とうとう)と喋っていた彼の顔を、私の背後から伸びてきた腕がぐいっと押し退けた。

腰に回された靭やかだけど逞しい腕が、そっと私を抱き寄せる。


「まぁギルバート様。お話の方はもう宜しいのですか?」


「シュナ?今日は君のデビュタントだ。私は君のエスコートを引き受けた。今日は君だけの騎士なんだよ?わかってる?」


「え…?え、えぇ、まぁ……」


「地上に降り立つ私の女神。君を守る栄誉を奪わないで欲しい」


うわぁ――――、あっまーい!

思わず仰け反って距離を置こうとしたけど、腰に回された腕がそれを許してはくれない。


「さて、そこの君。私の愛しい婚約者に馴れ馴れしく触れるのはやめてくれないか?」


ギルバート様の右手で顔を押さえられている彼は、フゴフゴと何かを訴えていたけど、最後はギルバート様から放たれる殺気を恐れたのかコクコクと何度も頷いていた。


そのままギルバート様は右腕に力を入れて、そして彼を突き放す。抵抗する気をなくしていた彼は、ペタンとその場に尻もちをついた。


チラリと冷めた目でその姿を見下ろした後、ギルバート様は私の腰に手を回したまま静まりかえった面々を見渡した。


「騒がせてしまったようだな、済まなかった。今日の佳き日にデビュタントを迎えた令嬢の方々に、心からの祝福を。

そしてこれからの人生に幸多き事を願おう」


今世紀最高の美形と讃えられるギルバート様の祝福は、効果絶大。


きゃ――――っ!!と黄色い悲鳴が辺りに響き渡り、一気にお祭りの様相に転じた。

再び賑やかさを取り戻した会場を見て、ちょっとほっとする。

だって無音よ?静寂に包まれているのよ?舞踏会なのに………。

そんな舞踏会がデビュタントの場になるなんて、申し訳無さすぎるわ。


でもギルバート様の祝福で、一気に挽回できたみたい。

本当に良かった。


感謝の気持ちを伝えるべくギルバート様を見上げると、

彼は甘やかに微笑んで私を見つめていた。


「ちょっと目を離すと、シュナの周りに良からぬ輩が集まってしまうから、本当に心配だ」


微笑みを苦笑に変えて呟く様に囁くと、ギルバート様は少し真面目な顔になって私の目をしっかり見つめた。


「少し外の空気を吸いに行こう」


「……はい」


断れない何かを感じて頷く。

エスコートされてバルコニーへ出ると、優しい風が頬を撫でる。


やっぱり緊張していたのかしら。


一歩前に踏み出し、手摺に手を乗せる

火照る身体に風は心地よく感じて、ふふっと思わず笑みを浮かべた。



「シュナ」


風に乗せて、ギルバート様の声が届く。

ゆっくり振り返り、ギルバート様を見つめた。シャラリと、髪飾りが揺れてあえかな音を奏でる。


ギルバート様は舞踏会の華やかな会場を背にしているから、逆光で表情が分からない。

でもその分、私に届く声に含まれる感情が凄く伝わってくる気がした。


「私達は5歳の時から婚約を結び、誰よりも長く誰よりも近くに居る存在になる筈だった」


「……はい」


「シュナの身の安全のため私自身が近くに有る事は許されなかったが、その分もっと言葉を尽くして気持ちを伝えるべきだとは思っていたんだ」


「ギルバート様、それは私に問題があったから………!」


言葉に含まれる悔恨の情に、思わず口を挟む。

ギルバート様だけが悪いのではないわ。


私が自分に自信が持てなくて、全てを拒絶していたのが始まりなのだから!


「それでも、だ。」


一歩ギルバート様が足を踏み出して、私に近付く。


「初めて出会った時、私はシュナ、君が大好きで絶対に自分が護るんだと決めていた。だか振り返ってみれば、我ながら何とも情けない状態だったと思うよ」


そっと大きな手が私の頬を包む。その暖かさは、常に側に居れなくても、何かと気遣って下さっていたギルバート様の優しさそのもので……。


胸に迫る感情が何なのか、自分の事なのに分からない……。

思わずギルバート様から視線を外し、俯いてしまう。


「…シュナ」


繊細な硝子細工に触れるかのように、ふんわりと抱きしめてきた。


「私は確かに情けない男ではあったけど、君を護るという決意は変わらない。いや、変えたくない」


長い指先で(おとがい)を持ち上げられる。


「私はこれ以上回り道をしたくない。君をこれから先、何事からも何人(なんびと)からをも護り、包んでいきたい」


ゆっくりと顔が近付く。


「私に永遠に護らせて?シュナ。私と結婚して欲しい」


その言葉に、小さく目を見開く。


ああ……先程の胸に迫る感情は……『愛しさ』……だわ。


永らく封じ込めていた宝箱の鍵が開く。


ギルバート様を見上げたまま。涙がぽろぽろと溢れ、落ちる。

ギルバート様の瞳が切なく揺れる。

それでも、そこには確かな愛情が湛えられ、溢れんばかりであることは分かった。


色んな感情が溢れて言葉にならない。思わず、ギルバート様の胸元に顔を埋めてしまった。


「シュナ、返事は?」


優しく問われる。

うまく言葉が紡げなくて、コクコクと必死に頷く。


ふっ……と頭上で、ギルバード様が笑う気配がした。




―――――――と、その時。



バ―――――ンっっ!!と激しい音と共にバルコニーの扉が開き、勢いよく誰かが転がり出てきた。


「セ………セオ?」


「シュナ!!ギルは腹黒だからね!本当にソイツで良いの!?

僕だって騙されて、デビュタントの準備する権利をギルに取られたんだよ!!僕、身内なのに、おかしくない!?

だから結婚式の準備、これは僕に任せてくれるよね!?ねっ!?」


「リザちゃん!?ちゃんと考えて!考えて返事するんだ!

ギルバード様なんて紳士ヅラしてるけど、結構変だよ!魔術団(ヘンタイ達)より、質が悪い変質だよ!!」


「えーと………ダヤン……?」


「いや、めでたいな。うむ。シュナ、早速式の日取りを決めねば」


「メイソン、何を勝手に決めようとしている。大人の姿になれたばかりなんだ。

暫くは私が愛でる権利があると思わないか?」


乱入してきた父様とセオ、ダヤン、サウザリー公爵様の姿に、啞然としてしまう。


ギルバード様は私をぎゅっと抱き締めて、苦笑いした。


「……デビュタントの準備も大変だったんだ。」


「……その様ですね……?」


「でも……」

言葉を切り、じっと見つめてくる。


「シュナはもう私のものだから。それを忘れないで」


『はい』という言葉は、そっと重ねられたギルバード様の唇にのって、ふわりと消えた。





シュナリザーsideは、普通のエンド。


少し日を置いてギルバードsideをアップできたらと思います。こちらは、微妙に波乱エンドにならないと良いなぁ、と。


1番カオスなのは、きっと周囲の方々……。sideモブは希望が有れば………あるのか?需要…………。


読んで頂きありがとうございました。


※11/21 17:50追記 今夜遅めの時間に、活動報告の所にショートショートをUPする予定です。

お時間がある方は、是非どうぞ

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― 新着の感想 ―
[良い点] また読めて嬉しいです。 ショートショートも読みました。 また久しぶりに最初から読んできまーす。
[一言] 更新 ありがとうございます(^^♪  ギルバードsideも更新予定の事 楽しみにお待ちしていま〜す♪ 出来ましたら…結婚⇒オメデタ⇒出産編も読めると嬉しいな〜もう、ドタバタ・ひしめき合い他…
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