かなえさま
「そうか。なら何も言う事はない」
狐月はそう言い残して去っていった……
それからというもの……零二は『かなえさま』について調べ始めた……
『かなえさま』に関係する怪談や伝承、都市伝説……ネットで飛び交う情報まで…
しまいには町の図書館に通いつめ『かなえさま』に関する書物を読み漁り……
更に2週間が経過しようとした時…零二は『かなえさま』に確実に会える方法をとある書物にて見つけ…
その日の夜…
零二は物を詰めたバッグを持ち…家からこっそりと抜け出した…
腕時計をチラチラ見ながら駆け足である場所へと向かっていた…
「理佳…理佳…待ってろよ。もうすぐだからな…」
息を切らしながらたどり着いた場所は名もない廃屋と化した神社であった…
零二は腕時計の時間を確認し……一呼吸入れるとバッグから懐中電灯とノートを取り出し……
そこら辺に転がっている木の棒を拾い上げ……
神社からちょうど中心に位置する地面へ大きく何かを書き始めた。
『かなえさまは神様。』
『どんな願いでも叶えてくれる。』
『叶えたくば代償を払い叶えよ。』
『かなえさまは代償として何かを奪う。』
『かなえさまは神様。』
『何でも叶えてくれるかなえさま。』
『願わくば叶えられないものはない。』
『かなえさまに奪えないものはない。』
『かなえさまは神様。』
『叶えましょう。』
『叶えましょう。』
『求む者に幸福をさずけましょう。』
詩のような草文字を書き終わったのはちょうど
0時00分00秒を差した……その時
零二の前にかなえさまが現れた。
かなえさまは女神だった…
一見普通の少女に見えたー
しかし怪異特有の圧倒的な威圧感と存在感を持っていた…
ヒトクイとは比べ物にならないぐらい次元が違っていた…
「君の願いはなんだい?」
あまり神様らしくない軽い口調でかなえさまが尋ねた。
「理佳を連れ戻してくれ」
零二は迷わずにそう言った。
「それは少し時間がかかるね。では明日の夜、かわたれ山の頂上まで来てくれるかい?」
かなえさまは笑顔でそう言った。
「わかった」
零二の答えを聞くとかなえさまは姿を消した。




