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たそがれ怪奇譚第1部 追憶篇   作者: 狐好亭黒介
追憶篇その4 ヒトクイと死神
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死神

ムクッと男が起き上がると…



手のひらを突き破ってナイフが飛び出るとそれを手に取り、再び向かってくる



月影は一旦、神刀虚月を鞘に納め抜刀の構えを取る



男の無造作なナイフの斬撃を巧みにかわし…



バックステップで距離を取ると……



今度は男が人間離れした跳躍で月影の真上を飛翔した……




落下してくる男に鋭い眼光を向け……




キッ…



シュンッ!!




目に見えない程高速の抜刀による一撃をくらわせた…




男は空中で首と四肢を同時に切断され……その肉片が周囲に四散した。


 





もはや……いかなる存在もこうなってしまえば確実に死ぬが……

 






それでも男の切断された四肢と首が再生され



ついに男は勝てないと悟ったらしくその場から逃走してしまった。



「大丈夫ですか?」



月影は狐月にそう尋ねた。



「ああ。でもあれは何だったんだ?」 



狐月がそう尋ねる。



「あれがうわさのヒトクイでしょう」



月影が狐月の問いに対してそう答えた。



「遅かったか」



そんな声と共に、どこからともなく一人の男が現れた。



「お前、死神か」



狐月は一目でその男の正体を見破った。



「よくわかったな。俺が死神だって」



死神は笑いながらそう言った。



「気配でわかるさ。霊能者なめんな」



狐月がそう言った直後、



「死神って事はやっぱりソ●ルソ●エティから来たの?卍できんの?」



淳也がそんな事を尋ねた。



「いや、普通にあの世だが…あったら使ってみたいが……」



死神が冷静にそう答えた。



「それはそうと、あなたもヒトクイを追っていますね?死神がヒトクイを追う必要性が無いのですが何か特別な理由でも?」



月影が死神にそう尋ねた。



「強いて言えば復讐だな、俺は元々人間だった。だが奴に殺された…どうやら死ぬには早かったらしくあの世にも俺の居場所は無い。だから死神になったんだ」




死神は淡々と自分の過去を語った。



「事情はわかった。それで、ヒトクイを殺す方法があるのか?あの再生能力だ。簡単にはいかないだろう」



狐月が死神にそう尋ねた。



「俺の鎌を使う。これは魂を刈り取る物だからな。効果は充分だ」



死神はそう言って虚空から大鎌を取り出した。



「私達も協力する。足止めくらいはできるだろう」



狐月がそう申し出た。



「感謝するぜ」



死神はそう言って笑った。



「ならヒトクイは私が探します。狐の嗅覚を以てすれば簡単ですよ」



月影がそう言って笑った。



「ヒトクイの臭いがわかるのか?」



狐月がそう尋ねる。



「強い血と臓物の臭いでしたよ」



月影は無表情でそう言った。



そうして狐月達は月影に案内されるまま町を歩いた。


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