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第13話 作戦会議

正直エタリそうになりましたが、一人でも読者がいてくれたら私は書きます。ブックマークをよろしくお願いします。

 


 ここ最近、魔物に取りつかれた人が出る事はなかった。


『もう安心していいんじゃないか?もう暴れる魔物は出ないんじゃないか?』


『いや。低位の魔物はもう出尽くしただけで、ゲランやロボのような高位の魔物は社会の片隅で息を潜めて暮らしていると思うわ。』


 ニュースを賑わす通り魔事件などの凶悪犯罪がここ最近起きてないので一郎は自分の使い魔であるアリサに話しかけていた。もちろん心の中である。声に出して話しても良いが、独り言をブツブツ言う危ない人と間違われるのを一郎は恐れていた。


 アリサと話していると良い暇つぶしになる。今日も大学の最寄り駅に着くまでの間、一郎はアリサとたわいもない会話を楽しんでいたわけである。そしてその時、一郎のスマホが鳴った。一郎はズボンのポケットからスマホを取り出した。着信音はサオリからのラインであった。一郎がアプリを開いて読むと、隣町の中学校を調べて欲しいと言う内容であった。放課後にそこに向かう事をラインで返した。


 待ち合わせの場所にはサオリはもう来ていた。


「一郎さーん。それと、おまけの尚子さん。」


 サオリはオレと尚子の姿を発見すると手を振ってアピールした。


「酷い。おまけって何よ。おまけって。」


 サオリの毒舌に尚子は一々返していた。クールな見た目に反して案外負けず嫌いなのかもしれない。


「だって、一郎さんしか呼んでないのに着いてきたじゃない。」


「あー!一郎とあんただけじゃ心配だからだろ!」


「まあまあ。立ち話もなんだからそこの喫茶店にでも入ろ。」


 一郎はサオリと尚子の諍いが悪化する前に河岸を変える事にした。




「それで話は何よ?」


 喫茶店に入るやいなや尚子が切り出した。


「あー。なんで尚子さんが仕切ってるのよ。まあいいわ。実はバスケットボールの試合で隣町の中学校に行ったときに私感じたんだ。一郎さんや尚子さんが発する感じと同じ感じを。」


 高身長ではつらつ美人のサオリは学校の部活でバスケ部のレギュラーとして活躍していた。そのサオリが試合中に自分を射つくすような気を感じて思わずミスってしまったと言う事だった。もちろん気づいたサオリは誰なのか探そうとしたが、試合中だと言う事もあり探せず。試合後あわてて探したが、他所の中学校と言う事もあって探しきれなかったと言う事であった。


「それって結果的に良かったよ。たぶんオレ達と同じ異世界憑依者だと思うけど、敵になるか味方になるか分からないしね。敵だったらサオリちゃんは最悪殺されていたかもしれないしね。」


「え!殺される?」


「そうさ。オレのアリサも尚子のゲランも悪い魔物には容赦しないからね。取りついた魔物が死ねばその憑依者も死んじゃうからね。」


「じゃあ。一郎さんと尚子さんも私とキングを殺そうとしに来たんですか?」


「いや。そこまでは・・・・」


「そうよ。話の通じない魔物だったら殺す気で来たのよ。」


 一郎がぼかそうとしたら、尚子がズバリと言い放った。サオリは少なからずショックを受けていた。


「そ、それってキングちゃんが魔物だからですか?」


「いや。こっちの世界に来たら人間とか魔物とかないよ。実際に尚子さんに憑いているのは魔族の魔人だし、真澄ちゃんに憑いているのは魔物だよ。ようするに悪い魔物に心を乗っ取られているかどうかだよ。」


「ふーん。そうなんだ。安心したよ。一郎さんはともかく尚子さんは恐そうなんだもん。キングちゃんと一緒に拷問されるのを想像しちゃった。」


「何よー。本当に拷問しちゃうぞ。」


「キャー。助けてー。」


 サオリはわざとらしく怯えると一郎に抱き付いてきた。


「うほん。それで魔物はレベルの低い物から順にこっちの世界に来てるらしいから、これからはレベルの高い魔物か、少ないけどダンジョンにいた冒険者も来るらしいんだ。」


「高位の魔物や冒険者なら話が通じるから仲間になってくれるんじゃないですか?」


「それがそう話は単純じゃないんだ。元々魔族と人間は対立しているし、味方のはずの冒険者だってこっちの世界に来て暴れないとは限らないからね。それに依り代の人間の問題もある。いくら良い人間がとり憑いても、とり憑かれたのが悪人だったら、おしまいだからね。いや、良い人間だって、急に得た力で悪に染まってしまうかもしれない。」


「そうよ。サオリだって魔物の力を使って悪さをしてないか私達は見に来たんだから。まあ、女番長になるだけの小悪党だったから見逃したんだけど。それでいつまで抱き付いているのよ。」


 そう言って尚子は二人を引き離した。


「え?二人は別につきあってないですよね?じゃあ、私が一郎さんにアピールしても問題ないでしょ?もしかしてやきもち焼いてるんですか?」


「な!マジで拷問してやる。この小鬼が。」


 いやいや。中坊相手に向きになったらあかんでしょ。


「まあまあ。頼むから仲良くしてよ。」


 一郎は慌てて仲裁に入った。


「それで、どうやってその学校に侵入するのよ?」


 尚子がちょっとむっとして聞いてきた。


「あー。それには作戦があるんだ。あっ。ちょうど来たみたい。」


 一郎が入口を見ながら助かったとばかりに言った。


「みんな。お待たせー!」


 そこには満面の笑顔の真澄がいた。


「また、呼んでもいないのに邪魔者が来た。」


 サオリが不機嫌に言い放った。


「ああ。悪い。悪い。オレが呼んだんだよ。真澄ちゃんはそこの中学出身だからね。」


「「え⁉」」


 二人は驚いて真澄を見た。




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