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人生イージーモード

作者: 田尻山 一由

小学校で塾に通わされ、それが嫌になり中学でテニス部に入ったものの、別にそんなにうまくもなく、なあなあで毎日を生きてきた結果、俺は、どこにでもいるであろう帰宅部の高校生になっていた。

そういう毎日が繰り返されると俺は常に思っていた。だから、今は毎日が最高だ。





★☆★☆




「おーい、優馬元気かー?」


午前の授業が終わり、友達が俺に声をかけてくる。


「あー、まあまあ、いつも通りかな?」


俺はそう答えることしかできない。なぜなら、いつもと異なることなど、俺の毎日の生活からは起こりえないからだ。

部活に入っていたならば、「今大会前だから忙しいんだー」とか、「今日部活休みだから気が抜けてるんだ」とかとか、返事のバリエーションが豊富に存在するのだろう。

しかし、俺は帰宅部だ。そんなことはない。


★☆★☆






1日というのが「おはよー」で始まり「おやすみ」で終わるなら、学校は「行ってきます」で始まり「ただいまー」で終わるのだろう。というより、俺はこうだった。


「優馬そろそろ受験の事も考えなよー、そうじゃないとまた高校受験の時みたいに最後あわてることになるわよー」


親はすぐに勉強の話をしたがる。しかし、そんな言葉にも、毎日同じようなことを言われてる俺からしたら、大したことはない。


「わかった。明日の授業の予習しとく」


これをキメ顔で言った。そうすると母は「やれやれ」という風に腰に手を当てため息をつく。これで完成だ。

こうすれば別に何も言われない。最後に冗談を言う事も大事。それで親の怒る気力を減らすのだ。俺はこんな感じで毎日を過ごし人生を楽してる。


人生なんてイージーモード


勉強は最低限してるから大手塾が定義しているFラン大学ではなく、ネットでFランとか言われてる大学ならいけるくらいには点数が取れるし、顔も自分では悪いとは思ってないから、「彼女作ろうと思ったら作れる」とか思ってるし、精神、肉体的に何も100点ではないが偏差値50は超えている。

こんな毎日楽しくないわけがない。生きる事最高。俺は今まそう思っていたし、明日も明後日も、そしてそのまた次の日も。俺はこうして毎日を生きて行く。それが俺の穏やかな最高の日常だった。



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