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ヒロインと王子様  作者: 虹色 マカロン
第一章 王子様とこんにちは
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「..ね..けど..」

「あんのーショタ神!!今度会ったらショタコンに売りつけてやる!!」


「...な、ななちゃん!?ど、ど、ど、どうしたの!?」


ショタ神へ悪態をついていたら、真っ白な世界から色のある世界へと突然変化しました。

しかも、キャラメル色のゆるふわパーマにぱっちり二重のお人形さんのような小柄な女の子が物凄く引いた眼で私を見ていました。

何この子めちゃめちゃ可愛い。可愛いだけに私が引かれているこの現状が物凄くツライ。


「急に意味わからないこと話すから私ビックリしちゃったよ」


心配そうに私を覗くその姿は、攻略キャラをバンバン落とす乙女ゲームのヒロインのよう...

そういえばこの子、レティ密のアリスちゃんに凄く似ている。

顔小さいし、肌白いし、頬がほんのりピンク色だし、唇なんてぷるぷるしてそうだし...


「....って....あ、あ、あ、あなた様はアリス・スピライドちゃんん!?」

「きゃっ!?」


私が勢いよくアリスちゃんの肩を掴むと、可愛らしい声で小さく悲鳴をあげる。

どうしよう...ヒロインってこんなに可愛い生き物なんだね。

ショタ神よ、いい仕事してくれたじゃないか!!


「ご、ごめんね!つい興奮...じゃなかったちょっと変な夢見てたみたいで!」

「夢?もー奈々ちゃんってばご飯食べながら寝ちゃってたの?ご飯がのどに詰まっちゃったら危ないよ」

「う、うん。そうだよね、昨日あんなに寝てたのになーあはは」


ふーなんとかやり過ごせたようだ。それよりもご飯がのどに詰まることを心配するなんて、アリスちゃんてば変わり者なんだから。

ちょっと斜め上発言するところも可愛くていいよね。

それよりもあのアリスちゃんが私の名前を呼んでいる...なんて幸せ。

どうやらショタ神の言う通り、乙女ゲームの世界であるレティ密世界に転移しているようだ。

この様子からいくと、私はアリスちゃんの仲のいいお友達ポジション?

お昼を共にするような親しい友達がアリスちゃんにいただろうか。


「そういえば次の授業は、2年生の先輩たちと一緒にやるんだってよ。ベティ先生体調悪いみたいで..先生大丈夫かな?」

「そ、そうなんだ。それは知らなかったなー」


今2年生って言った?言ったよね?2年生と言えば、三柴晃、波崎渉コンビのいる学年!

こちらの世界にきて早々に晃様を拝めるなんて...なんて幸せなの。

合同の授業ということは、6月頃に起きるアリスちゃんが魔法で失敗して焦げそうになったところを助けてくれるという出会いイベントのことか!?

あの思い出スチルのシーンが生で見られるの!?

ぐへへへ...


「奈々ちゃん大丈夫!?は、は、鼻血出てるよ!このティッシュ使って!」

「わ、私としたことが...ごめん。ありがとう」


アリスちゃんが手渡してくれたティッシュでいそいそと鼻血を拭く。

何このティッシュ、すごくいい香りする。こんなもの渡されたら誰よりも早く私がアリスちゃんに攻略されてしまうではないか。


「奈々様やはりお身体が弱いのね」

「あの野蛮な小娘のお相手をしたことで体調が悪化されたのだわ」

「鼻血を出されていてもお美しくて絵になるわね」


なんだろう。私の鼻血で外野が急にざわつき始めた。

しかも何だか私の鼻血キャラが定着している様子。嘘でしょ、乙女ゲームの中でも私は鼻血キャラでいかないといけないの。

ヒロインの友人が鼻血キャラなんて聞いたことがないんだけど。


「やっぱり奈々ちゃんは今日も魔術の授業は見学にしたほうがいいよ。私と一緒に組むって言ってくれたのは嬉しいけど...奈々ちゃんが倒れちゃうのは嫌」


私どんだけ病弱キャラなの。魔術の授業を見学ばかりしているって。魔法の実践できないんじゃアリスちゃんより私の方が落ちこぼれじゃないの。


「大丈夫だから。私も魔法を学ぶためにこの学園に入ってるんだしね」


ちょっといい子ちゃんぽいアピールをすると、アリスちゃんは一緒に頑張ろうと素敵な笑顔を見せてくれた。

きっとアリスちゃんは純粋に、病弱だけど努力家で頑張ってるのえらいとか思っているんだろう。

ごめんね、アリスちゃん。

私はただ単純に魔法を使ってみたいということと何よりも見学なんてしたらアリスちゃんと晃様と渉君のムフフなはじめましてイベントが間近で見れなくなってしまうという欲にまみれた願望でこの発言をしている。




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