表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
諸君、狂いたまえ   作者: カイザーソゼ
第9章 赤き血のイチゾク
97/136

9-16

 同じ頃、誰もいない本丸御殿玉座の間で、愛王妃と大竹が向き合っていた。

 愛は怒りの余り、ダイヤの杖を大竹に投げ付けた。彼の額から黒血が流れ落ちた。


「よくもそんな事!夫を殺しておきながら!お義父様も、叔父様も!」


 大竹は手で血を拭ってから、冷静に答えた。傷はすぐに塞がった。


「先王陛下を害したのは田村佑国です。王子をお止め出来なかったという意味では、僕が殺した事になります。でも正直、王子が死んで一番ほっとしているのはあなたでは?」

「……この国から追放します。永久に、二度と顔を見せないで」

「姫様がご帰城され次第、すぐに即位の礼を執り行います。王太子妃様には鶴山城にお移りいただきます。女王様にお会いしたければ、一週間前に御相談ください。その間、僕は城を離れます」


 大竹は手に付いた血を払った。その血は黒いカラスの群れに化けて、王妃の頭上に渦巻いた。


「そう、それが目的だったのね。この国を、最初から乗っ取るつもりで」

「この国だけじゃない。大陸全土をあるべき姿に戻します」

「あの子はどこ?一目でいい、最後にあの子に会わせて」

「それが……あれが噂の反抗期かな?まあ、いずれ戻ってくるでしょう。どうせどこにも行けませんよ」

(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ