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坊や軍は乗っ取った装甲艦とフリゲート艦で千代浜へ向かっていた。船上に秋水と提督の姿はあったが、坊やはいなかった。何故かサンキュー司令はいた。
同じ頃、一本の列車が、どこまで続く真っ白な綿畑を走っていた。
とある車両に人だかりが出来ていた。スーツ姿のサボリーマンが、興奮した様子で新聞を開いていた。そしてその周囲に車掌や乗客が集まって、「申し訳ないですが次のページを」「ねえ早くしてよー!」と急かしていた。紙面には「鮮やかな奇襲劇 蓮沼艦隊壊滅」「反乱軍 千代浜へ向けて進撃か」そんな見出しが躍っていた。坊やの写真も載っていた。
後ろの車両には、その坊やが乗っていた。彼の左隣には黒ギャル先生が座っていた。ミニのキャミソールワンピース+サマーブーツ姿。お洒落いやらしい格好で窓を見ていた。彼の右隣には、白ギャルアシュリーが乗っていた。金髪はアッシュグレイの黒髪に染めていた。トッパーカーディガン+レースタンクトップ+ショートパンツ姿。ハレンチ可愛い格好で納得いかない顔をしていた。
乗客は二人ばかり見ていた。時にはナンパもしてきた。先生は誰が来ても、ハエでも追い払うかのように手を振って追い返した。両サイドを白黒美少女ギャルで挟んで気配を消す作戦は、今の所上手く行っていた。
二十人目のナンパを追い払った後、アシュリーは坊やに尋ねた。
「坊やさんの考えが分かりません。どうしてあの方を許したのです?」
A「情けは味方だから」
B「無能な提督も、有能な大将軍の下では輝くから」
C「同じ匂いがするから」
↓
A「そう言った人(武田信玄)の家は、結局滅んでしまったのですよ?」
B「でも、いつかあなたに災いをもたらすような気がして……」
C「あんなハレンチな方と一緒になさらないでください!全然違いますから!」
先生は「テリーも助ける気?」と問い質した。坊やは頷いた。
「今重要なのは街をどうするかで、お姉ちゃんの事は……」
A「街もテリーも助ける」
B「彼女もこれから役立つ人材だ」
C「重要なのはアシュリーの気持ちだ」
アシュリーは俯いた。それから、彼女は「お願いします……」と声を絞り出すようにして頼んだ。
「千代浜では、幾らお金を稼いでも尊敬されません。だからパパは軍人一族のママと結婚して、お姉ちゃんは軍に入りました。立派な仕事だと思うし、お姉ちゃんの事は大好きで、尊敬もしています。だけどお姉ちゃん、いつも周りの人と衝突して、自分も他人も傷付けてる。このままじゃお姉ちゃん、ボロボロになっちゃうよ……でも、私はただの高校生だから、どうする事も出来なくて……」
「大好きな人に出来る事は沢山あるよ。テリーは今、迷路に迷い込んでる。その出口を指し示す事は無理でも、出ようと決意するきっかけぐらいは与えられる。アシュリーのこれからのためにも、テリーと会った方がいい」
アシュリーは暗い表情で頷いた。先生は坊やに指示した。
「処理された鬼の体の一部、血や髪とか、それを飲んだ人間は鬼に化けるの。使われたら、誰かを助けるどころの話じゃなくなる。最優先で処理する事、いい?」
坊やは頷いた。「グッボーイ」と先生。




