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歓楽街の人々(メイドやOLや偽JKや女王様、そしてその客)は表に出て、港の方を心配そうに眺めていた。夕焼け空は煙で黒く染まっていた。
アシュリーと先生は屋根に上って、戦いの一部始終を見学していた。アシュリーはワーキャー言っているが、お師匠様は弟子の戦い方にいたくご不満だった。
「強力な範囲攻撃に頼って動きが雑。距離を取って戦える内はいいけど、あれじゃ接近戦ですぐボロが出る」
「すごいなあ、先生は。私は何の役にも。友達にはすごく強く出るのに、自分の時は」
「ううん。立ってたよ。いてくれて私は嬉しかった。店もあなたに残って欲しいって」
「先生は?」
「猫カフェに虎は要らない、だって。ひどい言い方」
「でも私は、虎になりたいです。強くて優しくて、自分の信念を貫く美しい虎。教えてください先生。強くなって、皆の役に立ちたいんです」
「私、厳しいよ?それでもいいの?」
「はい!喜んで!」
屋根の上で、二人の美少女は幸せそうに笑い合った。




