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諸君、狂いたまえ   作者: カイザーソゼ
第3章 アボルダージュ
23/136

3-8

 綿業会館の会議室で、坊やはのんびりケーキを食べていた。「危険を感じる神経が腐ってます」と秋水は隣で呆れた。


 A「佑民の事で気負い過ぎている」

 B「神がここでヒーローを殺すはずがない」

 C 無言でニット帽を脱ぐ

 ↓

 A 秋水はハッとした顔になり、それから自己嫌悪の顔になった。坊やは優しく笑って、「まあ笑っとけ、笑っとけ」という風に、両手の人差し指で彼の口角を上げてやった。秋水ははにかんで、照れくさそうに笑った。


 B「坊ちゃまを救うのは僕です。神じゃない」


 C 頭の(´・ω・`)を見て、秋水は吹き出した。が、彼はすぐに立て直して、真面目な顔を作った。


「お兄ちゃん!今どんな状況か……」


 坊やは頭を近付けた。秋水は必死に笑いを堪えた。目と鼻の先まで頭が近付いてきた。秋水は顔を真っ赤にして我慢したが、最後には耐えられなくなって、大声で笑った。この何か月かで、彼は初めて心から笑った。


 外からアシュリーの声がした。SPと揉めていた。


「上院参与から誰が来ても絶対に通すなと」

「その父から頼まれたんです!」


 彼女はSPを押し退けて、強引に部屋に入ってきた。


「今すぐ移動します!車に乗ってください!」


 テリーが指揮する部隊が大通りに集まってきた。通行人は驚いて足を止めた。部隊は綿業会館を包囲して、大砲を建物に向けた。窓からSPが顔を出した。


「犯人はもういません!旦那様の指示で、アシュリーお嬢様が連れて行かれました!」


 テリーは舌打ちして空を仰いだ。昼前は綺麗な青空だったが、今は大きな曇り雲が浮かんでいた。


 三人はとりあえず、海沿いの離宮に身を寄せた。アシュリーは謝罪した。


「本当に申し訳ございません。謝って済む事ではありませんが、心より謝罪させてください。我が父ながらこの仕打ち、本当に浅ましく……」

「アシュリーが助けてくれた事、とても感謝しています。ね、坊ちゃま?」


 A「命の恩人だ」

 B「リオ(ゆるパパ)は何故急に裏切ったんだろう?」

 C「いいからパンツを見せろ」

 ↓

 A「……ありがとう、ございます……」


 B「お城に使者が来て、二日以内に降伏しろと迫ったそうです。街中で噂になっています。父はお二人を引き渡して……自分だけ助かろうと……」


 C「そういうのは、お姉ちゃんに怒られちゃうから……それに、今日は可愛くないし。でも今日は無理ですけど、あっ、明日ならOKですっ!」


 小雨が降り始めた。アシュリーのワンピが雨に濡れて、ピンク色の可愛いブラがうっすら透けて見えた。急いで来たので傘もなく、財布もなかった。家にはもう帰れない。逃げる当てもない。逃げたとしても、何日かしたら王家の軍隊が街に乗り込んできて、何もかもが変わってしまうだろう。

 小雨が降りしきる中、アシュリーは力なく呟いた。


「これからどうしたらいいのかな……」


 A「艦隊を倒そう」

 B「来た敵を全て殺す」

 C「アシュリーは何も心配しなくていい」

 D「もう駄目だ日本に逃げよう……」

 ↓

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