12-6
どこかの草原の真ん中で、大竹は大の字に倒れていた。目だった外傷はなかったが、首から下は指一本動かなくなっていた。
彼の体から、白い煙が昇り始めた。徐々にではあるが、体の修復が始まった。
大竹の足元に黒い雷が落ちて、そこから坊やが現れた。坊やは右手に刀を、左手に瓢箪を持った。
大竹はまだ動けない。彼はか細い声で坊やに言った。
「お前の親父を殺した時の話してやろうか?あの野郎、普段あんなに威勢のいい事言ってたくせに、柱に縛られたらわんわん泣き出してなあ。許してください何でもしますって命乞いしやがったから、毎日五センチずつ切り刻んで殺してやったよ。
お前の兄貴は最高だった。裏切られたって知った時のあの顔。あいつ、脳筋のくせに俺に勝とうとしやがって。馬鹿が!身の程を知れってな。もっといたぶって殺してやればよかった。クソ過ぎてカッとなっちまった。
正貫だっけ?あいつもな。俺が鉄道建設ごり押ししてやったら、一族総出で反乱起こしやがった。笑いが止まらんかったね。田村のゴキブリ一族は、子供を産むごとに馬鹿で弱くなっていくんだろうなあ。
最後にお前だけが残った。残念だよ。一族皆殺しに出来なくて」
A 大竹を生かす
B 大竹を殺す
C 大竹を封じ込める
(続く)