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諸君、狂いたまえ   作者: カイザーソゼ
第11章 命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人
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11-13

 千代浜海軍の二隻の軍艦が、王都南西のとある入り江に潜んでいた。

 夜の間中、船の人々は坊やの帰りを待っていた。本来は敵同士の青服隊、黒服隊も、まさに呉越同舟で、東の方角を物言わず眺めていた。東には王都が、そして鬼怒川があった。

 辺りが白んできた。長い朝が開けようとしていた。東の空が朝日で輝いて、オレンジ色の光が入り江に差し込んできた。

 フリゲート艦の甲板に、秋水とアーバイン姉妹がやってきた。アシュリーは心配そうな顔で東を見つめ、テリーは妹の頭を優しく撫でた。

 秋水は空を見上げた。

 急に上空が暗くなった。頭上に天狗の大群が渦巻いた。

 水面が盛り上がって、大蛇や大亀が現れた。

 鵺に乗った鬼騎兵が駆けてきて、入り江の岸に整列した。

 フリゲート艦の甲板に、黒い雷が落ちた。雷は坊やに変化した。

 甲板の人々は、彼の周りに集まって、握手したり、肩を叩いたり、抱き合ったりして喜んだ。

 坊やは装甲艦の方を見た。ピアースは軽く手を振り、提督は何度も投げキッスをした。愛は恭しくお辞儀し、鬼庭は敬礼した。

 朝日が昇って、新しい朝がやってきた。反撃が始まる。

(続く)


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