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諸君、狂いたまえ   作者: カイザーソゼ
第11章 命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人
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11-11

 空から、翼の生えた鬼の大群が降下してきた。坊やは高速で駆け上がり、翼の鬼をことごとく切り裂いた。鬼は湯気と化し、空に蒸気の雲を浮かべた。

 上空から、坊やは一直線に敵陣中枢へダイブした。

 敵陣の中央部に、頭の大きな和服の老人が立っていた。坊やは高速降下して、老人の体を左右真っ二つに断ち切った。

 坊やはまた大きく飛び上がって、空中の敵を叩き切った。そして降下して川の群れを切り裂き、再び上昇して空中の敵を攻撃し……スーパーボールの動きを超高速で反復した。百万の敵は湯気となり、辺りに濛々と立ち込めた。

 坊やは最後に高く飛び上がると、残った敵を全て切り伏せた。それから、彼は霧の立ち込める川へゆっくり着地した。

 霧の中から、ゆらりと、半分になった老人が現れた。坊やは大きく飛び退いて距離を取った。

 周囲の霧が、老人の元に集まり始めた。半分の体は元通りに修復された。老人の全身は骨に、肉に、血に覆われていった。黒い血は白く固まり、剥き出しの骨肉を包み込んでいった。

 川を覆っていた霧が晴れた。水面に、老人とは似ても似つかない白い鬼が立っていた。

 白鬼は手の平から白金の骨刀を出して、上段に構えた。

 坊やは血吸の太刀を下段に構えた。

 紅白の鬼は真正面から激突して、激しく切り結んだ。

 刃の風圧で足元の水面は丸く抉れ、川は大きく波打った。両者は水上のあちこちを高速移動して、互いに刃の嵐を浴びせかけた。切り合う内に、戦いは空へと移っていった。両者は互いの背後を取ろうと瞬間移動で回り込み、それを超高速で振り解いた。夜明け前の鬼怒川の空に、赤い光とプラチナの光がクロスシザーズ軌道(戦闘機の格闘戦で、背後を取ろうと互いに交差する動き)を描いた。

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