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諸君、狂いたまえ   作者: カイザーソゼ
第11章 命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人
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11-7

 夜、百鬼夜行の大軍が鬼怒川を渡っていた。緑色の人魂が、たいまつ代わりに灯っていた。黒い川面は、緑の人魂と、色とりどりの鬼に埋め尽くされていた。

 百万を越える異形の軍隊だった。鬼に妖怪、天狗、幽霊。虫ほど小さい者もいれば、山より大きい者もいた。人間型の者もいれば、一本足や一つ目の者、四つ顔や八本腕の者もいた。どこが頭でどこが体か分からない、スライム状の者もいた。翼が生えた者は夜空を飛び、歩ける者は川面を歩き、泳げる者は水中を進んだ。

 青い口ばしの河童一匹が、恐る恐る川から上がってきた。河童は人間側の岸を何歩か歩いてみた。

 川岸の近くまで、豆の木の林が迫っていた。許可なく人間世界に足を踏み入れた鬼は、呪いで豆の木に化けるという。しかし、河童の体には何の変化も起きなかった。

 河童は喜んで振り返ると、渡河中の本隊に大声で叫んだ。


「俊宗の呪いは解けた!皆、早く来い!」


 岸から、続々と河童軍団が上がってきた。本隊も歩みを速めた。

 赤い光の剣が、背後から、青い口ばしの河童を袈裟切り(斜め切り落とし)に切り落とした。河童は蒸発した。

 その湯気の中から、血吸の太刀を手にした坊やが現れた。他の河童は恐れを成して水中に潜った。

 太刀は赤い光の粒子を放出した。粒子は寄り集まって、太刀の切っ先に曼荼羅を形成した。

 坊やは粒子曼荼羅から、赤い光の極太ビームを発射した。ビームは渡河中の敵左翼に直撃して、数多の鬼を蒸発させた。坊やはビームを右に薙いだ。長大な光の刃が、敵軍を左右に刈り取っていった。

 上空の敵部隊が、牙や爪を尖らせて突撃してきた。

 刀は更に粒子を放出した。粒子は寄り集まって、様々な光の兵器に化けた。高射砲、対空ミサイル、防御機銃……

 光の対空砲火が一斉に打ち上げられた。上空の敵部隊は、赤い光の弾幕に飲み込まれて消滅した。

 渡河中の敵部隊が、嵐や雷を起こしながら攻めてきた。水中の敵も、クジラのような体を晒して岸に迫ってきた。

 刀は粒子を大量放出した。光は大砲や機関銃、ミサイルやロケット等に化けた。

 坊やは光の銃砲撃を敵軍に叩き込んだ。鬼は機関銃に打たれ、大砲に吹き飛ばされ、ミサイルやロケットで叩き潰された。

 光の核バズーカは小型核砲弾を連射した。赤いキノコ雲が幾つも生まれた。

 光の大砲は大型核砲弾を発射した。砲弾は水中に落下してから爆発し、巨大な黒い水柱を立ち上げた。

 曼荼羅砲は光の核トマホークを発射した。核トマホークは敵軍の頭上で炸裂して、眩い光と共に多数の敵を葬った。

 遠距離から大火力攻撃を叩き込む。坊やは得意の勝ちパターンに嵌めた。

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