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諸君、狂いたまえ   作者: カイザーソゼ
第10章 天使の証明
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10-12

 寛永寺で言えば谷中墓地の辺りから、坊やの骨ドリルが飛び出してきた。

 地面から飛び出た瞬間、墓地に先回りしていた黒ローブが、青い火球を打ってきた。坊やは直撃を食らって吹っ飛ばされた。彼は墓石を数十個薙ぎ倒してダウンした。

 黒ローブの背中から、黒い炎の腕が無数に生えてきた。その黒い炎の手の平から、更に青い炎の斬馬刀が生えてきた。黒ローブは千手観音千刀流で突撃してきた。この接近戦で必ず殺す構えである。

 坊やは立ち上がって、全身を水晶の骨で覆った。彼の背中から、同じく水晶の腕が無数に生えてきた。骨は更にかゆうま筋肉に覆われていって、坊やは全身ムキムキの金剛力士千手観音に化けた。ムキムキの手の平から、黄金骨の刀が生えてきた。坊やは千手観音千刀流で黒ローブを迎え撃った。

 墓場のど真ん中で、二体の千手観音は真っ向から衝突した。黒ローブは息も付かせぬ華麗な連続攻撃を繰り出した。炎の刀が激しく上下運動を繰り返して、墓場に青い流星群を降らせた。坊やはひたすら突きだけを打ち込んだ。骨の刀が愚直にピストン運動を繰り返して、黄金のガトリング砲を叩き込んだ。

 坊やの体は肉と骨で膨れ上がっていて、まるで雪だるまのようだった。その体から繰り出される一撃は重く、当たれば墓石も粉砕した。しかし(黒ローブに比べると)遅かった。

 黒ローブは速度で肉だるま坊やを圧倒した。坊やが一発打つごとに、黒ローブは三回切ってきた。

 鬼対鬼の戦いでは、傷はすぐ回復する。しかし体勢はすぐには直せず、隙が生じる。

 黒ローブに鋭く切り上げられると、坊やの手は衝撃で上がった。横薙ぎにされると、彼の手は衝撃で左右に振られた。

 最初、坊やの腕は下ろしたての歯ブラシのように真っ直ぐ黒ローブを向いていた。しかし打ち合う間に、彼の腕は使い古した歯ブラシのように上下左右に広がるようになっていった。一対三は一対十になった。

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