Prologue
拙い文章構成ですが、最後までどうぞお楽しみください。
夜、煉瓦で組まれ、暖炉の火が明々と照らす城の中の一部屋で、一人の男の子がベッドに腰掛けていた。
彼の名はヘンリー。御年10歳、統一国オフィリアの王太子である。
彼は一人の老婆に物語をせがんでいた。
老婆の名はメアリー。ヘンリーの大好きなおばあちゃんであり、オフィリアを建国した建国王ナルザスの妻である。
「ねぇおばあちゃん、ご本を読んでよ」
「そうは言ってもねえ・・・・・・めぼしい本はすべて読んでしまったじゃないか」
「なら、ぼくが知らない物語を教えてよ」
「・・・・・・それなら、建国王から聞いた物語を聞くかい?」
「うん!ぼく、それ聞きたい」
「そうかぃ・・・・・・思えばヘンリーは10歳になったんだっけ?」
「そうだよ、おばあちゃん」
「それならこの話をしなきゃならないねえ。よくお聞き、このお話は建国王自身から聞かされたお話さ」
「なにそれ!すごい!!」
「そうでもないさ。聞いた当初は、みんな『建国王は気が触れているんじゃないか』とまで言ったんだから」
「ふうん・・・・・・」
「わたしも、ナルザスからこの話を聞いたときは唖然としたものさ。突拍子もない話だったからねえ」
「どんなお話なの?」
「それは聞いてのお楽しみさ」
老婆は話し始める。
この国の出来たきっかけを。その出来事を。一言一句、建国王から聞いたとおりに。
誤字脱字・ご指摘などは随時受け付けております。
何分、投稿は初めてなもので、まだ至らぬところ等多々あると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。