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蟹騎士様の魔族生活  作者: ホワイト爺
プロローグ
7/74

0-7 魔族騎士団第5部隊

part ポピー


暫くの間、私達は食う食わないのやりとりをしていた。そして漸く本題に入った。


「ゴホン、では改めて・・・」


そう言い、仕切り直して話しを始めたハルス隊長。

でもこの赤い魔族の人機嫌が悪そうだ・・・。上手くいくのかなぁ?隊長、僕が呼びに行って三人で戻って来るときこの人を第5部隊に勧誘したいとか言ってたけど。


そんなこと思いながら自己紹介がハルス隊長から始まった。


「まず、助けてくれた事を感謝する。ありがとう。お陰で命拾いをした。俺はこの魔族騎士団第5部隊を取り仕切っている、隊長のハルスだ」


「俺は前衛のリチャードだ」


「ぼ、僕はポピーっていいます!回復魔法が使えます」


「さっきも言ったがシジマだ・・・」


そう言ってシジマさんがまた透明状態に戻っていく。あの人いつもあの状態だもんなぁ。ああしてないと落ち着かないとか。とそこへ赤い魔族から質問を受けた。


「回復魔法?じゃあ、あなたが傷を治してくれたのですか?」


いきなりの質問で戸惑いながら素直に話す。


「ええまぁ、はいそうですけど…」


と言うと、僕の腕を掴んできた。なんだ!?


「ありがとうございます!また死ぬかと思いました」


また?と思い質問しようとする前に話し出した。


「私の名前はステ…じゃなくて、えっと…」


と言い、名乗りを途中で止めてしまった。そのまま一向に答えてくれない。これ相当機嫌悪くないか、赤い目も右往左往してる。どうしたんだろう?


part 蟹


「私は、えっとその・・・」


私がこうして自己紹介を悩んでるのは、この"ステラ・カルミヌス"の名を口にしたら大変な事になると考えてるからだ。

私は人間と魔族の最後の決戦の時に、多くの魔族を殺し、名前を堂々と言っていたのだ。もし使えばかなりの面倒事になるだろう。

だからこの名前は使う訳にはいかないが・・・代わりの名前があるのかと言うと何もないのだ。そうして慌てていると向こうから話しかけてきた。


「もしかしてお前・・・オリジンか?」


「オリジン?」


そう私が聞くとハルスさんはああ、と頷きオリジンについて話してくれる。


「オリジンっつーのは分かりやすく言うと、その種族の最初の存在、つまり新種という事だ。今じゃ幻の存在何だが、お前の種族の名前は何だ?ステータス開いて見てみろ」


え、何かそれ凄くないですか。というかなんですかその…


「すてーたす?ですか?」


「目を閉じて意識を自分の中に集中すれば見れるはずだ。やってみろ」


もしかしてアレのことかな?そう思いつつ目を閉じ意識を自分の中に持っていく。




名前 無し  性別 ♀ 年齢 0歳 種族 魔族-オリジン・キャンサー 職業 無し


 称号 〈血濡れ〉 〈殺戮夜叉〉 〈魔族殺し〉 〈騎士の心〉 〈拳王〉 〈剣の達人〉 〈救い手〉 〈二度目の命〉 〈オリジン個体〉 〈甲殻使用者〉


 甲殻 〈防御甲殻〉 〈攻撃甲殻〉 〈対衝撃甲殻〉




ん?何か増えてませんか?〈甲殻使用者〉とその他甲殻に関する表記が・・・なんだろうコレ?もしかしてこの〈防御甲殻〉と〈対衝撃甲殻〉のお陰で、巨赤鬼に勝てたんじゃ?


と考えていたらハルスさんの声で現実に引き戻される。


「おい、大丈夫か?」


思考を中断し、慌て答える。


「あ!はい。キャンサーだそうです」


「キャンサーか・・・お前ら聞いたことあるか?」


「隊長が知らないものを俺が知ってると思いますか?」


「うーん、聞いたことないですねぇ・・・」


と誰も聞いたことも見たこともない様子を見せる。それを見たハルスさんが


「そうか、誰も知らないって事はオリジンかもしれねぇな」


と結論を出してる所に、私が言いそびれてたことを言う。


「あ、あの~[オリジン・キャンサー]って出てました。あと、[オリジン個体]という称号も・・・」


「本当か!?」

「へ~」

「ほ、本当ですか!?」

「ほう・・・!」


三者三様の答えと何もない空間から声が聞こえた。ハルスさんとポピー君が感動しているようだ。そして私を置いて会話が進んでしまう。


「まさかオリジンに会えるとはなぁ」

「僕!感激です!!」

「そんなオリジンってすげぇの?」

「何いってるんですか!?オリジンなんて今じゃもう生まれないと言われてる個体ですよ!!それに・・・」

「へースゴイネェ ポピークン モノシリダナー」

「ちょ、聞いて下さいよ!」


と言うコントのような会話をするリチャードさんとポピー君。シジマさんは姿を消しどんな様子か見えない。


「あ、あのー・・・」


とそこで場を沈める音が私から鳴り響く。


ぐうぅぅぅぅぅ~


私は慌てて腹を押さえるが、時既に遅し。視線を感じ取りそこを向くとポカーンとした表情で三人組は此方を見ていた。そして


「ぷ・・・くくく・・・ブフォ!」


「ご、ごめんなさい、僕、もう・・・くくく」


「お、俺は・・・笑ってないぞ・・・く、くく」


最初は我慢してたけど吹き出してしまうリチャードさん。謝りながら笑うポピー君。顔をこちらに向けず口本を手で隠しているが肩が震えて隠しきれてないハルスさん。


どうしよう。凄く死にたい・・・

次回!サービスシーンの予定!!

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